2007年09月16日

CMのあるべき姿。

CMにこれほどイライラさせられているのは日本人だけ?

結構長い記事なので読むのが面倒臭いという人のために要約すると、つまるところ「日本のCMと海外のCMでは全くスタンスが違う」という話です。どう違うかというのは、下記引用より。

CMの出し方は、ここ数十年で格段にあざとくなった。さあいよいよ真犯人がわかるというところでCMなどというのは当たり前。盛り上がって、さてクイズの答えというときにもCM。CMあけにはCMまえのシーンがまた繰り返され、答えを言うのかと思えば、そのまままたずるずると映像が続き、再度CMに突入、などということも珍しくない。
 われわれはこのようなCMにすっかりならされてしまっている。しかし、こういうCMの出し方は、どこの国でも行なわれているというわけではないようだ。欧米では山場CMは日本よりはるかに少なく、話が一段落して入れるCM(このレポートでは「一段落CM」と名づけている)が圧倒的に多い。

以上、「歌田明弘の『地球村の事件簿』」より抜粋


この[山場CM]の比率が圧倒的に日本は高いらしい。
言われてみれば、クイズ番組の正解発表前、バラエティの面白い映像ダイジェストの後の本編、ニュースにしても「続いてのニュースは」などと言ってCMを挟むことがほとんど。これが欧米では圧倒的に少ないらしい。理由も単純明快で、視聴者からの苦情が殺到するからとのこと。

僕は、上記リンク先に書かれている「タダで見るんだから、多少イライラさせられたって仕方がないだろ‥‥」という人種で、そもそもTV局や制作側に苦情を言う人の気が知れないというタチなんですが(誤報や捏造は話が別ですよ)、苦情を言わないにしても確かに「CM」というもののあるべき姿からするとおかしな話だなぁと思いますね。全然気付きませんでしたが。

「視聴者の心象を悪くするから山場CMを行わない」というのは、当り前すぎるぐらい当り前の論理で、これは要するに"ブランディング"と呼ばれるものなんですよね。"ブランディング"や"ブランド"というものを語る時、やれカッコいいデザインだの、流行の最先端だの、はたまたカッコいいロゴだの、CIだのと叫ばれがちですが、その論議こそが生産性が低いと僕は思います。(全くの無意味だとはいいませんが)

ブランドというのはメーカーと消費者を繋ぐ"信頼"であって、その信頼はどのように構築されるのかというと、当然「顧客満足獲得の連続行為」からなるわけです。Panasonicの商品が多少高くても受け入れられるのはそれ相応の安定したクオリティを持つ商品を多数、そして長期間にわたって消費者に提供してきたからであって、別に「Panasonicのロゴがカッコいいから」ではないですね。だからこそ「タイマーがついている」と揶揄されるウォークマンを生み出したブランドは価値を下げているわけで。同時に、そのブランドを認めている人もいるわけですが、それとて同じ事。

もちろん、ブランドや商品においてデザインや、そのデザインの一部となるロゴというものは多大な価値を生み出します。が、外見やデザインというものは商品やサービスの一部の価値でしかなくて、それが全てとなってしまっては意味がないわけです。物凄くカッコイイロゴの会社がDVDレコーダーを発売したところで、2割が不良品、カスタマーサポートが薄い、では誰も買わなくなるでしょう。

当然、大手メーカーのようにロゴが多大な力を持ち、そこにファッション性や信頼を生み出す価値を持ったメーカーも存在します。それは本当に素晴らしい事であるし、そのロゴの持つ力、信頼性というのは是が非でも維持していくべき。でも、それはロゴが力を持ってからの話であって、サービスも商品も消費者が求めるものを提供できていないのに、ロゴだけ変えても何の意味もありません。

amazonなんか、本当にいい例で「本屋なのにアマゾンってどんな名前なのよ」って初めは多くの方が思ったと思います。が、そのamazonは今や書籍・映像商品通販サービスの押しも推されぬトップブランドになっているわけです。それはamazonが長期にわたって消費者のニーズを満たしてきたからに違いありません。(余談ですが、amazonはカスタマーサポートも優れていると思います)

要するにブランドとは
「お客様が自社に何を求めていて、どのように応えるか」
ということそのものであり、それを確立していくことこそが「ブランディング」なんだと思います。

そう考えると、日本のCMのスタンスは確かにおかしいわけで。
確かに、TV局にお金を払うのは企業です。
がしかし、企業が満足するCMを提供してどうする。
TV局も企業も視聴率という数字にしか目がいってなくて、肝心の「お客様」に意識が向いていないんでしょう。お客様視点に立てば、山場CMというのは明らかにやめるべきですから。

こういう話って、実はWEB業界も例外ではないんです。
企業の広報担当者と話をしていると、どうしても「こういうことを伝えたいんです」とか「わが社の理念は・・・」なんていいがちなんですが、WEBサイトを使うユーザにとっては、そんなもんどうでもいいんですよね。そんなことよりWEB上でどんなサービスを受けられるのかが大事であって、そこに必要な情報やサービスがあればユーザは満足します。

日本のCMがどうしてこうもお客様を無視した山場CMばかりなのかというと、皮肉にもほぼ全ての番組が山場CMを行っているので、視聴者にとってそれが当り前になっているからなんでしょうね。仮に、皆が一段落CMを使っていれば、山場CMは叩かれ、それを行った企業の心象は悪くなるでしょうから。

TV業界は、いつかこの矛盾、というより自分本位なサービスを行っている事に気づくんでしょうか。


posted by 総さん−ソウサン− at 22:45| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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