幾分、今週は暇だったかな(笑)
今までやってきたことが、ほんとに通用しないなぁと毎日思うわけですが「他を知っている」ということは決して悪いことばかりではなく、良いこともあります。そもそも、Web屋なのだからWebの知識があって困ることはないですしね。業界未経験の方が社内での風当たりが弱いのは間違いないですが、彼等は彼等で「知識が何もない」という不安を抱えていますから、大変ですよね(ただ、先輩や上司もそれを理解した上での対応をするので、絶対経験者より楽ですがw)
他がどんなことをやっているのか知っているということは、つまり我社がどうしてNo.1をうたえる強みがあるかを理解できる、ということです。こういう思考は、ココへこなければ出来なかったと思いますね。
僕もそうでしたし、他のWeb業界の方のblogや、実際に働いている方の話を聞いてると、技術や外面の話に行きがちです。技術も外面もツールですから。デザイン学も、情報デザインも、ログ解析も全て方法論。戦略ではなく戦術なのです。戦術を学ぶことは大事ですが、戦術が目的になってはいけない。
Flash?CMS?Ajax?SEO?
確かに素晴らしい技術だけれども、使えば良いというわけでもないし、弊害もある。
「それを使うとどうなるんですか?」
これに答えられなければ意味がない。大概の制作会社は答えるわけです。
「検索エンジン上位表示ができます!」
「更新が自分でできます!」
「動くサイトができて御社のブランディングに繋がります!」
なんて。
大手制作会社のWebディレクターが言えば、たいていの企業Web担当者は「なるほど!」となりますね。確かに「どうなりますか?」という問いに答えてはいますから、間違いではない。けれども、それじゃ根本的な解決にはならないのですね。なぜなら、本来の質問の意図はこうなるはずですから。
「で、ビジネスの何に役立つの?」
Flashでカッコよくしようが、SEO対策を施そうが、それが目的になってしまっては意味がないのです。Flashでカッコ良いデザインになっても、ユーザがそれを求めてなければなんの意味もない。SEO対策をしても、肝心のWebサイトがユーザのニーズを満たしていなければ意味がないし、自分の問題を解決してくれないサイトに訪れたユーザは二度とそのサイトには来ないでしょう。結局、Webサイトといえどプロダクト商品と変わらないわけです。
・ターゲットユーザは?
・ユーザが持つニーズは?
・ニーズ喚起の必要性は?
これらがはっきりしてなければならない。だいたい、どこも企画書には書いてあるんですよ。でも、肝心の根拠がない。ユーザが誰で、そして何を求めているのか。どういうキーワードでユーザは検索しているのか。そのユーザに対して、何をしてあげなければいけないのか。
「我社には○○という名の通った商品があるので、それを売り出したい」
とか
「名前を売りたい。ユーザにハイセンスな印象を与えるデザインをして欲しい」
なんてクライアントはいいがち。そして、制作会社は「では、検索エンジンにひっかかるようにその商品名をたくさん出しましょう。またトップからも迷わないように誘導しましょう」なんて言うわけですが、大事なことが欠落しているわけですね。
そもそも、そのキーワードでユーザは検索してるの?
笑えない現実です。
固有名刺として有名でも、ユーザはそれで検索なんかしない。商品名で検索して来たユーザは、もうすでにその商品へのニーズをはっきりと抱えたFanですから、むしろあまり対応はいらないですしね。
会社名も同じですね。
会社名なんて、ユーザにはどうでもいいんですよ。良いサービスさえあれば。世に数多存在する「ブランド」といわれる名前は、あれは名前が良いのではなく「質の高いサービス」を提供し続けているから、名前が力を持つわけです。
なぜ、それが必要なのか。
なんのために、それを利用するのか。
これこそが最も大事なセンテンス。
単純な話なんですけどね。
サッカーなんかで言えば、ゾーンプレスやサイドアタック、フラット3にあたるものです。「最新の戦術なんで、これは良いですよ。使いましょう!」なんて言っても誰も納得しないですね。
「勝利のために」
「勝つためには相手の弱点であるココを狙う」
「サイドアタックを使おう」
が正しい論理ですから。
「全てのデザインには機能がある」
デザインという外面には、その意図する機能=根拠があるという話。
でも、物づくりはこれでは足りない。
こうでないと。
「あの人が使うから、そのためにはこの機能が必要。だからこのデザインになる」