国内組で組むといつもこう。
むしろ国内組で3-5-2だともうこういう試合以外はありえない(笑)
前々からずっと言ってますが、3-5-2は日本と同等以上の実力を持った相手には通じないですよと。ポジションチェンジがしにくいシステムだから、流動的な流れるような攻撃が出来ない。単純に言えば、パスコースはほぼお決まりの所しかない。
3-5-2が機能するための要素
1.基本的に個々の能力で相手に勝っていること
2.絶対的なファンタジスタがいること
1.基本的に個々の能力で相手に勝っていること
だから、アジア相手には美しくないけど勝利は出来るのですよ。
「4-4-2の方が中盤に人が多いから4-4-2の方がプレスがかかる」っていう頭の悪い持論を展開している人を見たけど(その人はどんな結果だろうと「課題はすべて4バックではなかったこと」に起因させ、良かった点は全て「4バックだったから」とする盲目的な人w)、3-5-2が世界の潮流として流行ったときに謳われたセリフも全く同じだったよ、と(笑)まあ3-5-2ですからね。
・3-5-2の長所と短所
システムってもんは戦術に合わせて人を配置するツールであって、絶対的なものは存在しない。なわけで、それぞれに長所短所はあるわけですやね。3-5-2の長所は間違っても"中盤で"プレスがかからないことではない。中盤のサイドに常に一人いるのだから、実質的には中盤だけに話をとどめるならむしろプレスはかけやすい(だからトルシエはこのシステムを好んだわけで)。ついでにいうとセンターバックが3人いるから逆サイドも必要以上に絞る必要が無く、サイドチェンジされたときもプレスはおのずとかけやすい。
3-5-2の弱点は言わずもがな、ウイングバックの背後のスペース。3DFの両脇。ここにどうしてもぽっかりとスペースがあいてしまい、そこを執拗につかれると3DFの一角がサイドにつり出され、バランスが崩れてしまう。
3-5-2の長所は、高度な連携を必要としないこと。ポジションチェンジをしないということは、ポジションの受け渡しが減り、バランスを崩すリスクが減る。そして、もう一つの長所がサイドアタック。常に、中盤の外にサイドに張り出した状態で1人いるため、左から右、右から左へという繋ぎやサイドチェンジの攻撃が行いやすい(左でつくり、右で突破みたいな)。サイドの攻防に神経を注いだシステムでありつつ、中央の枚数も減らしたくは無いという贅沢な注文のもと生み出されたのが3-5-2であり、そのためサイドに張り出した選手が中盤に二人いるにも関わらず2トップ。これが3-5-2の魅力。サイドを攻略して中へクロスをあげると、2トップ+トップ下に時折ボランチの片割れも加わって、4人いることすらあるし、少なくとも2〜3人は常にいる。これが1トップだと1〜2人でボランチがきて3人。全く話が変わってくる。
ちなみに4-3-3や4-5-1(4-2-3-1や4-1-4-1)の弱点はこの攻撃のセンターの少なさにある。サイドを突破しても中が薄いので、相当強力な1トップとトップ下の得点力が必要となる。そのかわり、守備ラインのサイドの人数が確保できる。
話を戻すが上記3-5-2の長所を活かし、機能させるには、DF以外の各ポジションで1vs1に勝つか引き分け以上に持ち込める個々の能力を身に着けることが必要となる。なぜなら中盤と並行にサイドの選手を常に置いておけるといっても、そもそも高い位置でボールを奪えなければ意味が無いから。中盤に人数を裂いているのだから、中盤のボール奪取能力が著しく無いとボールが奪えず、結局後方まで下がることになり3-5-2の利点は消え5-3-2となってしまう。ボールをとるためには、ボール奪取能力。だから個人守備力が無いと、うまくいかない。
また、サイドのタレントも重要。基本的にサイドを一人で受け持つ両サイドのウイングバックは、背後のスペースの恐怖と前方のスペースへのチャレンジの葛藤となる。その葛藤のバランスを大きく左右するのが個人能力(打開力含む)であり、攻守に渡って先手をとれる能力があることが理想。サイドの攻防の綱引きですね。この綱引きにおいて、サイドの攻防を完全に敗北を喫し後手になるとはっきり言って上記と同じように3-5-2の利点はかき消され、5-3-2となってしまう(フランスW杯はまさしくそれ)。せめて五分五分ぐらいでないとこのシステムを使う意味がなくなってしまう。
と、いうわけで、3-5-2というシステムは中盤より前の選手が相手より個人能力で勝っていないと機能しない。だから、アジアカップでは勝てたわけで。ワールドカップに出るような強豪国相手には我が日本の戦力では脆弱すぎる。また、もしそれでも3-5-2というシステムを機能させるとするなら、中盤での個人勝負における勝利を一切放棄した、システマチックに動き回って敵を翻弄し続ける方法をとるしかない(これがトルシエの戦術)。ただ、今もってこの方向へ逃げるのは日本サッカーの発展に繋がらないだろう。
2.絶対的なファンタジスタがいること
上記において「個人能力が相手より同等以上でなければ3-5-2は機能しない」という前提条件の裏回避方法として「中盤での個人勝負における勝利を一切放棄」としたけれども、どちらにせよトップ下に強力な個性を持った選手が必要不可欠(だからトルシエは最後まで中田英を外せなかった)。守備から攻撃への線を考えると2列目が一人のため、どうしてもそこに線が集中してしまう。FWとの連携やラストパスにゲームの組み立てと、攻撃のタスクが異常に多い。しかしここからが矛盾で、敵だってバカではないので、そこを集中的に狙ってくる。つまり、このトップ下のポジションには過度ともとれるプレスをいなすフィジカルなり、高いテクニックなりを持ち合わせていないと、即座に潰されてしまい攻撃にならない。攻撃にならないということはすなわち守備の時間が増え、「高い位置でボールキープ」というこのシステムの大前提を実行できなくなる。
ということなので、このトップ下にはある意味でスーパースターが必要で現在の日本で世界と対等に渡り合えるためには、このポジションが本当の意味で務まるのは中村俊輔のみではないかと思う。
■ブルガリア戦の3-5-2
というわけで、昨日の話。
やっぱり国内組で3-5-2で組むと、個人能力はどうしても海外組に見劣りするしトップ下俊輔もいない。ブルガリアがそこまでガツガツこなかったのもあって、なんとかなっているけど、ワールドカップでこの試合をしていたらどこ相手にも勝てないと僕は思う。
ただ、それでも「3-5-2の最低限の出来」である「サイドからのクロスの連発」はある程度出来ていたわけで、またそのおかげでコーナーキックも多く、サイドのクロス、コーナーからのクロスに合わせるシーンは多かった。3-5-2で最低限の結果を求めるには充分な動きは出ていたといえる(逆に言うとあのメンバで3-5-2を組んだらあれが限界)。つまり、昨日の勝敗は何本ものクロスに合わせた時に、(特に)ヘディングを外しまくっていることにつきる。中澤に巻に遠藤に、あれを決められないと、最低限の結果すらついてこない。あれだけクロスにあわせたなら、マークがついていようが一本は決めないと無理無理。
■3-5-2でいいのか?
結局、昨日でもいつの試合でも同じように、中盤の個人能力(1vs1)、サイドのタレントに強大な力があるわけではない我が日本において3-5-2を選択すれば自ずと攻撃は左へ右へと繋いで隙をうかがい、クロスをあげてそれを競り勝つしか方法が無くなる。これで勝てるのはアジアだけじゃないかな。世界相手にこれで勝てるとは思えない。
ワールドカップで"好成績"をおさめるためには、やはり4-4-2じゃないかと思うわけ。それも、中盤がスクランブルに動いて高い連携を維持できるような動き。つまるところ、コンフェデ2005の日本。あれが出ないと世界で対等には戦えないと思う。
フィジカルに乏しい日本人なので単純にその場その場で1vs1を挑むのではなく、俊敏性、組織力、そして高い技術を利用して、中盤がスクランブルに動き、1タッチ2タッチで攻撃を組み立て、スペースのあるところで良い形でボールをキープした所から個人勝負に入る。そのためには3-5-2ではそれに適さないし、2トップでないと前線で渡り合えない。なので4-4-2。そして、必要とされるのがポジションチェンジとカバーリングの連続を可能にする高い連携と、ボールを止める・蹴るという基礎技術の高さ。
■4-4-2において必要とされる人材
まあ、上記「中盤がスクランブルに動き、1タッチ2タッチで攻撃を組み立て、スペースのあるところで良い形でボールをキープした所から個人勝負に入る」が出来る人材が必要なのは当たり前なのだがw、それは中村俊輔を筆頭に、中田英、小野、小笠原、松井がいるので。
4-4-2というシステムは3-5-2や4-3-3と比べるとバランスよく人を配置するシステムなので、速攻や遅攻、サイド、中央全てにおいてそれなりに対応できる。なので、3-5-2のように「常に中盤を制圧できていなければ機能しない」ということではないが、まあ当たり前にボールが奪えないと困る(笑)ので、やはり一人ボール奪取能力に長けた人が欲しいなあと思う。現状で言えば1番手は福西、2番手・稲本となり稲本の調子があがればその序列が変わる可能性もあるが、やはりこの二人はどちらかにとどめぜひとも今野を呼んで欲しかった。二人よりもファイティングスピリットに長け、自己犠牲、体を張った守備、執拗なボールへのプレスには目を見張るものがある。一言で言えばタフ。実はパスセンスもそこそこあるし。
時すでに遅しだけど。
フットサルのブラジル戦の日記から非常に楽しく読ませてもらいました。
フットサルをかじっている者として「なるほど…」と感心させられます♪
これからもヨロシクです。^0^
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ワッショーイ!!(笑)
ビックリした・・・
コメントいただけるとは思っていなかったので・・・・。
続きはmixiで(笑)