デジカメのバッテリーについて「連続使用時間72時間!」と数字で訴える事は当然必要ですが、それだけではユーザ視点にはなっていないのですよね。例えば競合商品が「65時間!」と謳われていたとき「おお!7時間も違う!」という人はあんまりいないんじゃないかと思います。「長持ちするに越した事はないわな〜」という人が大半じゃないでしょうか。7時間の差を常に体感できているわけではないですからね。
「2泊3日の旅行でも充電無しで大丈夫!」というキャッチコピーの方がユーザには断然わかりやすい話ですよね。ユーザに理解できる形で価値を伝える事で「自分はこの商品の客なんだ」と思わせる事が大事だといいます。
で、なーんでこんな話を思い出したのかというと、レンタルビデオ店の対応に疑問を覚えたからです。基本的には一週間レンタルがほとんどだと思うのですが、その1週間にしてもお店によっては24時間営業のところもあって、その場合、各店舗に「日付変更時間」というのが存在します。
日付変更時間と言っても、実際に日付が変わる0時ではなくて、あくまでも営業上の日付なので大体が翌日の朝型か午前中に設定されています。翌朝5時だったり、10時だったり。すると、つまり一週間でレンタルをすると実質の期限は一週間後+翌営業日の日付変更時間まで、となります。仮に翌朝AM10時が日付変更時間だったとすると、例えば10月1日(月)にレンタルした場合、返却期限は一週間後の10月8日(月)の翌朝10時=10月9日(火)10時になるわけです。
ここで、サービスが分かれるのです。
レジで商品を渡す時のセリフが違いました。
■10月1日(月)にレンタルした場合
A店:「一週間のレンタルのため、10月9日(火)午前10時までのご返却となります」
B店:「一週間後、10月8日(月)の翌日午前10時までのご返却となります」
一見、A店の方が正確に情報を伝えているのですが、少なくとも、僕はB店の方が断然わかりやすいです。こちらは「一週間」ということは基本概念として頭に叩き込まれているわけだから「月曜に借りたから、返すのも来週の月曜」+「でも、翌日の朝10時まではセーフ」と覚えるだけで把握できる。
A店の伝え方だと、せっかく予め持っている「一週間」という基本概念を一瞬頭から外す事を余儀なくされる。お店のシステムとしては全く同じなので、結局言っていることも結果的には同じなのですが、B店の場合は基本的に「来週の同じ曜日に返す」という基本さえ抑えておけばいいのに比べて、A店の場合は無駄に「10月9日」+「10時」という数字の情報が入ってきてしまうため、覚えづらくなる。
情報を与えすぎても、良くないんだなぁ〜と思った次第です。
相手が最もわかりやすい形で伝える事が大事ですよね。
これ、なんとなく恋愛にも言えるような気がします(笑)