僕だけじゃないですけどね。
でも、僕が一番怒られたかも。
今、新人研修中です。
ビジネスマナーとか一般的なものだけではなくて、この会社のやり方やスタンス、実際のフローなど細かに講義が設定されていて、一日1コマ50分×8で、朝から晩までビッチリ入ってます。
おっそろしいのが、その日の8コマ全ての講義が終わったら、その後一時間の間に各講義に対してレポートを提出しなければならない。しかも、上長のチェックを入れての一時間なので、実質もっと早く仕上げなければならない。単純計算でいくと、一コマ5分ぐらいしか時間が無い。この会社の厳しさが少しはわかっていただけるでしょうか。
僕は、間に合いませんでした。
もとい、新人の誰も間に合いませんでした。
しかし、僕は本気で怒られました。
「君が間に合わないでどうするの!!」って。
「君が背中をちゃんと向けてしっかりとやらないと下も見習わない」。
「求めているものが違うんだから、新卒の子と同じレベルでやってどうするの!」
おっしゃるとおり。
いや、僕以外にも中途は何人もいるんですけどね。
悔しくて仕方が無い。
僕は、これを予感していて入念に準備をして望みました。
レポートのフォーマットを事前に作る。
アジェンダ(目次)を予め入力しておいて、そこにメモを取ればレポートになる。あとはメモを纏めるだけ。
でも、間に合いませんでした。
大幅に。
原因はいくつかあります。
まず一つは、他の業務を優先してしまった事。
これが、一番の原因ですね。
クライアント対応をしなければならなくて、レポートというのは社内業務であり、自分の作業。ディレクターの鉄則で「自分の作業は後回し」という言葉があります。まず、周りに影響を与えるタスクから先に行ってから、自分の作業を行う。
もう一つは、タスク(この場合レポート作成)の最終像と、それにかかる時間が正確に測れていなかった事。要は、目算が甘かったと言うことですね。5分で一コマという計算が本当の意味では出来ていなかった。
この二点は、転職したからこその僕の甘えが無意識に出たものもあります。慣れないことだらけで、ある程度「多少時間がオーバーするのは仕方ない」という見方を周りも自分もしていたのですね。それが顕著に出た。
ただ、悔しいのはもっともっと気を使って動いていればちゃんと出来たということ。自慢じゃありませんが、この業界に来てからあらゆる納期を守らなかった事は稀な事です。それぐらい納期にを守ることには自信があった。それが、出来なかったのが悔しい。それこそがディレクターにとって一番大事なことなのに。
しかし、悔しい中にも良い事もありました。
提出したレポートについては、間接的にですが認められました。
「どんなに内容や体裁が素晴らしくても、納期を守れなければ意味がありません」という返事をメールで貰ったのですが、他の新人はみんなダメ出しされる中で、僕は物理的な修正に関しては「誤字脱字修正」のみ。口頭でも「この内容で期限を守れていればカッコいいのに」といわれました。
「オーバースペックなんだよ」といわれました。
つまり、時間内に作るのに見合ったクオリティじゃないと。
けれど、これはどうしても譲りたくない。
これよりクオリティを落として明日出せば、基本的には認められるでしょう。相手が求めているのはそういうことなのだから。けれど、それでは意味が無い。納期を守るということに対して、それ相応のクオリティにするというのは、立派なセルフコントロールなのだから、それはそれで良いのだけど、本来それは出来て当り前。
このクオリティを維持したまま、期限に間に合わせたい。
じゃなきゃ、見返せないジャン。
この会社に来て、初めて悔しいくてイライラしてます。
たぶん「出来たはずのこと」と思っているからです。
50分のアツイ講義を5分でまとめる。
しかも体裁も内容もそれなりのものにする。
かなり難しいことだと思います。
このレポートのフォーマットは自由です。
でも、それが一番難しい。この会社の「自由」は「とりあえずどんな形式でも書いてあればいいから」という自由ではありません。「形式や体裁は各々で決めて良いから、自分で考えて伝えたい事をしっかりと伝えられると思うフォーマットで提出しなさい」ということ。自由というのは「根拠を元に自分のスタイルで相手を説得しろ」ということであり「クオリティは気にしない」ということではないのです。
そうなると、5分では無理ですね。
事前にフォーマットを作って、アジェンダを書き込む。
だけでは足りなかった。
事前に出来る事は全てやっておくぐらいでないと。
講義のタイトル、講師の名前等全て入力してある状態で出力する。
そして、どんな簡単で資料のままでも、必ず持参した用紙にその情報を落とす。データにする時に情報が散らばっているとそれだけで時間がかかるからです。そして、メモを取る時も自分がわかるように、ではなくそのメモの段階でそのままタイピングすればレポートの一文になるようにメモを取る。
結局、結論は一つ。
講義終了後には、メモしたことをそのままタイピングするだけでレポートになるようにまとめておかなければならないということです。
今週一瞬間はずっと研修です。
明日から、今のクオリティを落とさずに期限に間に合わせて見せます。
絶対やってみせる。