まあ、仕方ない事ではあるんですがサッカー漫画の初期って大抵の作品はほんとつまらないんですよね〜。サッカーを詳しく知らない層もとりいれるために、初期はサッカーの戦術や知識のレベルが著しく低い。ずーっとサッカーを見続けてきているこちらにしてみれば(しかも僕は戦術オタク的なところもありますから)、「あーもうこのスタイルとこのスタイルが対立して、んでこういう問題が出てくるんだろうな〜」っていうのが目に見えていて、物凄い読みづらいんですよね〜。今日び、そんなにサッカー知らない高校生や監督もいないよなーと思ったり。
ただ、それでもその中に人間ドラマがあったり、シチュエーションが特異でその辺の取材をしっかり行って描かれているんだな〜と思える作品は、サッカー的観点での結末が見えても、物語の結末がよめないので面白く読めたりするんですよ。
それが無いのは正直苦痛な部分もある。
で、最近その対象の一番手にいるのが「エリアの騎士」。
天才と謳われた司令塔タイプの兄を失った、今日本に最も必要といわれる「ストライカー」の話。これがもう、サッカーをある程度知ってるこっちからすると先が読め読めで、見てるこっちが恥ずかしくなってくる展開の連続。
遊び心のある奔放で魅力的なサッカーを目指すスタイルと、勝利第一主義で高校生に自主性を禁止する管理サッカーの戦い。もう使い古され過ぎてはっきり言って大抵の行動が他偉大作の二番煎じ。エリア内での嗅覚が優れる主人公がピッチに立った瞬間に、それまで周りが理解できないようなスペースへパスを出していたパッサーの目の色が変わって素晴らしいパスがズバズバ通るとか、もうちょっとそれ展開として古すぎない?。使い古されたにも程がある。ほとんどのサッカー的な要素がそれなんですよね〜。みているこっちがイライラするわぁ〜!!って(笑)
最近一番やられちゃった感が出たのが、管理サッカー派のチームに所属する平山相太に顔だけソックリで中身は物凄いイヤミな奴が「サッカーは体格がでかくないとね」的な、最近もうまったく聞かなくなった30年ぐらい前の古い提言を最新情報として流す長身FWがいるわけですよ。そしたら、主人公言い返そうとする横から、作品の中では”サッカーを熟知する”と設定されているマネージャーが、もう物凄いカッコよく、アナタ何もわかってないわね的な感じで今にも「フッ」って言い出しそうな言い種で言う訳ですよ。
「知ってるかしら? ・・・・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」
とか行っちゃう訳ですよ。
もう読んでるこっちが恥ずかしくて・・・。
現実世界でそんなこと言ったら知ったかキター(・∀・)!!ですよ(笑)
マラドーナなんてサッカーやってて知らない奴がいるわけがない。
小さい奴でもサッカーで活躍できるという代名詞として「貴方はご存じないでしょうけどね・・・」みたいな風に出すような規模の選手じゃない。
野球の世界で言うなら
「体格の小さい選手は活躍できない・・・?」
「フッ・・・アナタは知っているかしら・・・」
「たった○○センチで、観客の目をいとも簡単に奪うプレーを連発した男」
「その名も・・・・・・・・長嶋茂雄」
とか言うようなもんですよ(笑)
いや、それミスターぢゃん!!皆知ってるよ!って(笑)
なんか、そこでマラドーナを出すというのはセンスが無いというか、体格が小さくても世界的にビッグになった選手なんていくらでもいるんだから、もう少し渋めの選手を出せよっていう話。しかもマラドーナってもう時代違うし。そんな安易に比較できるものでもなければ、彼には実は身長がなかっただけでスピードは物凄いものがありましたからね。一概に「フィジカルがない」というのも当てはまらないし。
あのねーどうせちょっと前の選手出すならジーコの方が適切。
有名すぎて嫌なら、ドイツのメラーやヘスラーとか、ロベルト・バッジョでもいいし、僕がファンタジスタに限定して出すならジャンフランコ・ゾラ。現代ならロシツキーとか、別に田中達也でもいいと思うし。だいたい、FWの話なんだからまず真っ先に出すのはゲルト・ミュラーであって、あとはサルバトーレ・スキラッチとかでしょ。彼らなんてこの漫画の趣旨にピッタリじゃないの・・・。一般読者にはわからないだろうけど、実物を出してそのマネージャーに説明させれば良いだけの事。僕もそうやって覚えた選手もいたなー。それを「フッ・・・マラドーナ」て(笑)
これ調べてみたら原作はあの「シュート!」の編集担当の人なんですよね。
その影響で適当にサッカーをかじって物語り作ってるのかな?って思うぐらいストーリー展開が稚拙。まだキャプ翼の方が読む気がするよ・・・・。出てくるキャラクターも「ああ、主人公にこれをさせたいのね」って必要性がわかってしまうような展開。はう〜。
例えば「ファンタジスタ」。
この作者は、本当によくサッカーを知っているな〜と思いますね。
その中で、特に絶滅危惧種といわれるファンタジスタと呼ばれる選手にスポットを当てた作品。"ファンタジスタは3秒先の世界が見える"というのは、他の漫画に無い視点でしたね〜。
例えば「ホイッスル」
中学サッカーで、よく現場のことを理解しているな〜という作品。
トレセン制度がどうなっていて、地域の中学校のレベルや、そして浮き上がってくるチーム内の問題。また、主人公がもともと超ヘッタクソだというのも、サッカー漫画ではあまり見ない例。天才ではなく、努力家のFWに焦点を当てているのも新しかった。
例えば「オレンジ」
これもよく現場の状況を調べ上げて書いてるんだなというのがわかる。
プロの二部リーグの状況、経営の難しさ、サポーターとの繋がり。そしてそれらの結果としてサッカーの試合が行われるというスタイル。よく出来ています。
他にも「ヤタガラス」なんかもいいですねー。
そういう練りこみが「エリアの騎士」には一切感じられない。
ただ、知ってるサッカーの知識(しかもたいしたことない)を適当に散りばめて書いてるだけ〜って言う感じ。
安易につまんねえサッカー漫画かいてんじゃねえよ!!!
っていう怒りのブログでした(笑)
このあと面白い展開になることを願って、ね。