2006年06月27日

和田アキ子さん、中田英寿という人を知っていますか?

いつも、なるべく言葉を選んでアツくなりすぎないよう冷静に書いているつもりの僕ですが、今日はちょっとそういうタガが外れてしまうかもしれません。お見苦しい文章になるかもしれませんので、もし不快になられてもご容赦ください。


アッコにおまかせ。
言わずと知れた日曜昼食時にやっている芸能界のご意見版・和田アキ子がメインパーソナリティーを務めるバラエティー番組。先日の放送を外でチラリと見て耳を疑い、後日ネットで確認。やはり、事実だったようだ。信じられない彼女の発言は。ブラジル戦後10分近くピッチに倒れたままだった中田英について。


「あんなとこでわざわざ泣く必要ない」
「控え室(ロッカールーム)で泣けばいいじゃん」
「なにもそこまで泣くほどのことでもないでしょ」
「そんなに悔しいか?そこまで悔しい?」
「クロアチア戦が終わって分かってた結果でしょ?」

※実際に録画していたわけではないので、一字一句正しいわけではありません。

こういう人を、想像力の乏しい人と言うのでしょうね。
以前から僕なりの経験でココに書いてきた事の一つに「人に優しく接するためには、相手のありとあらゆる可能性に想像を張り巡らさなければならない」とありますが、まさしくこの発言をしている彼女にはそれが欠如しているとしか僕には思えません。

ココを定期的にご覧になっている方は、僕がある種の中田批判をしているのを見ているかもしれませんが、僕は紛れも無く彼の一ファンであるし「中田英はかつての姿を失ってしまった」というのは、もちろん彼のことを地球に立つ一人のサッカーファンとして敬愛し、成功を祈るからこその分析であり、僕にとって中田英寿という人は間違いなく憧れのヒーローの一人です。

中田英が、どんな気持ちであのピッチに立っていたのか、どんな強い想いを抱いてこのW杯を向かえたのか。そんなこともこの和田アキ子という人にはわからないんだろうか。サッカーを知らない人なのはわかっている。別に専門的で的を射た発言なんて求めていない。けれども、彼女のこの発言はやはり「無知という罪」そのものであるし、恥じるべき発言だと僕は思う。

和田アキ子さん、アナタは中田英寿という人を知っていますか?
中田英寿という人がどれほど日本代表を愛し、尽くしてきたか知っていますか?


アナタは知らないでしょう。
中田英寿という人がどれだけ偉大な人物かを。たった20歳の青年が、日本中の期待を一身に背負い、日本代表の司令塔として僕らに目の覚めるようなスーパープレーを披露し、全国民の期待が全て攻撃へと変換されてしまうような絶望の最中、それでも彼は自分のプレーを見失わず最後まで日本代表の司令塔だった。そして中田英寿は僕達を初のW杯へ導いてくれた。それ以前の偉大な先駆者達の、誰も成しえなかった偉業を成し遂げた。本戦出場後も、中田は最後まで自分のプレーを発揮し、僕達に一筋の光を与えてくれた。

アナタは知っていますか?
当時の日本サッカー界にとって、セリエAという舞台がどれだけ大それた舞台か。アナタはきっと知らないでしょうね、ユベントスというクラブがどれほどの歴史と権威を持つ偉大なクラブなのかを。中田英寿という、サッカー弱小国である極東の島国から来たたった21歳の青年が、デビュー戦で2ゴールをあげるということがどれほどの離れ業なのか、きっとわからないでしょうね。

スクデットという言葉を知っていますか。
当時のASローマ。トッティ、エメルソン、カフー、デルベッキオ、モンテッラ、バティストゥータ、トンマージ・・・・。世界のどこに出しても恥ずかしくない陣容を揃え、ASローマは本気でスクデット獲得に走り、そして見事その栄冠を手にしました。その一員として、スクデットを獲得するための豪華陣容にふさわしい選手として、W杯で一度も勝ち点を獲った事の無い国の選手を選ぶことがどれだけ異常なことか、アナタにはわからないでしょうね。

中田英寿は世界を相手に常に戦い続け、たった一人で欧州の場に乗り込み、世界にその名を売ることで日本サッカーの未来を切り開いてくれた。一サッカーファンとして彼には感謝してもしきれない。同時に、彼を育てた、彼に関わった全ての人にも感謝をしたい。誰もが認めるだろう。中田英寿こそ、世界における日本サッカーの第一人者であると。

その中田英寿が、自身29歳で迎えるW杯にどのような想いを抱いていたのか。チームに檄を飛ばし、汗をかきながらピッチを走り回り、試合後は立てないほど肉体を酷使した。アナタにはそれがどれほどの重く、強い想いだったのかを想像する力も無いのですか。

中田英寿は、絶対に弱音を吐く男ではない。
そう簡単に心が折れるような柔な選手でもない。
僕達にいくつもの希望を与えてくれたヒデが、そんな柔な選手なわけがない。

「中田もこんなトコで泣かんでもええと思わへん!?」
違うよ。アナタは本当に何もわかっていないよ。
あの、どんなに辛いときも、たった一人で欧州に乗り込んだときも、スタメンを外されても、どんな大会で負けたときも、弱音を吐かず弱い部分を見せてこなかったヒデが、ピッチの真ん中で涙を流した。どんなに荒いタックルを受けても、どんなに激しいチャージを受けてもピッチにひれ伏すことの無かった、絶大な力を持つ巨人達にその日本人と言う名の小さな体で勇猛果敢に挑み、決して屈することの無かったヒデが、ピッチに倒れた。


"あの中田英寿が"ピッチに倒れて涙を流したんだよ。

どれほど辛かったろう。
どれほどの強い想いを抱いて、このピッチに立っていたのか。
あの中田英寿が、涙を流している。
ブラウン管に映るヒデを見て、僕も涙してしまった。

和田アキ子さん。
アナタが中田英寿の事をどう言おうと自由だよ。
誰もそれは止められない。中田が嫌いならそれも仕方ない。
けれども、国民の期待を一身に背負い、常にマスコミの矢面にさらされながら、代表デビューから10年を戦ってきたヒーローに対する発言として、少なからず国民に影響力を持つアナタの発言として、とても品位に欠ける発言だと僕は思う。

和田アキ子さん。
アナタはきっとすごい人なんだと僕は思うよ。
何かを成した人でなければ今の位置にはいけないもの。
でも、アナタが中田英寿にどのような感情を持とうが自由なように、僕だってアナタに対する評価は自由だ。僕は、アナタがどんな大きな舞台で唄を歌おうが、今後一切耳を傾けるつもりは無いし、偉大な歌手だとも思わない。どんな素晴らしい発言をしても、僕はそれに感心することは絶対に無いし、アナタを人間として成熟した人だとも思わない。TVの中で、涙を流しながら唄をうたっていても、惨めだとしか思わないよ。

和田アキ子さん。
アナタにそっくりそのまま言葉を返すよ。
「そんなこと、楽屋で言えばよかったんじゃないの?」


そして中田英寿、ヒデにはこの人の言葉こそ伝えてあげたい。
僕はそう思う。

http://sports.nifty.com/saposta/cs/japanreport/category/3/1.htm

名波「彼がどれほどの功績を残したのか、近くで見た若い選手たちは忘れちゃいけない。センターサークルに一人で座っていたヒデのところに、俺は行きたかった。行って、ヒデ、もう一度W杯をやってくれよ、と声を掛けたかった。彼に失礼だと思うが、本当によくやった、と言いたい。」
posted by 総さん−ソウサン− at 20:18| 🌁| Comment(19) | TrackBack(6) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月23日

さよならジーコJAPAN。

これ以上ないほどの大差でしたね。
これが今現在の日本の実力。
と、多くの方が仰るようにそれは間違いではありませんが、これはいくらなんでも言葉が足り無すぎる。これじゃライトなファン(いや、サッカー好きの人の目も狂わせるかも)は勘違いしちゃうじゃないか。今回の事象を正確に表現するなら、こう。


「リスクを度外視して2点以上を取りに行った日本の実力はこの程度」

これ以上でも、これ以下でもない。
そこを見逃しちゃダメさ。今回の戦いだってブラジルは集中していたし、コンフェデだって同じ。今日の試合は、特に両サイドバックが本当に頻繁に攻撃に出ていたし、他のポジションも相手が世界最強のブラジルということを踏まえればかなり前がかりなポジショニング。ブラジル相手にハナッから2点を奪いに行くようなサッカーをすれば、代償として大敗のリスクが大きくなるのは仕方ないですよ。同じようなスタイルのチェコやアメリカでも、十分に今日のようなスコアになる可能性はあったと思います。

それにしても、ブラジルは強い。
こちらがリスクを背負ってバランスを崩してでも攻めに行ったということを差し引いても、このスコアをすんなりと叩きだせるブラジル。あっぱれですわ。たぶん、ブラジルが本気で日本と同じようにリスクを度外視して(まあ、このチームは伝統的にリスクマネジメントをあまりしないチームですが・・・)攻めてきたら、強烈な攻撃が展開されるでしょう。本物を見せ付けられた気分です。

まるで、本物と、本物を真似て作った量産型チーム。
悔しいけど、こんな感じ。溢れる技術で中盤を制圧し、強力なFW陣とMFのシュート能力でその中盤を結果に繋げる。日本には、技術豊かな中盤はあったものの、強力なFWもいなければ、MFにシュートセンスもありません。この時点で、我々はブラジル代表になるのは早すぎたのかもしれない。誇るべき中盤にしても、やはりボールを持ったときのコンテンツが違う。たぶん、フリーの状態ならそんなに大差は無い。しかし、彼らはファーストタッチ、そして敵に囲まれたときのテクニックが全くモノが違う。ロビーニョやカカーなんて、そこまでフィジカル強くないし。ワンフェイクや、体の向き、ワンタッチで敵のプレスをいなし、体をぶつけさせない術を知っている。だから、半ばフリーの状態でボールを持て、プレーコンテンツが飛躍的に上昇する。まあ、この辺の差は2年前のドイツ戦の時からわかっていたことですけどね。


さて、ここからジーコJAPAN個別にレビュー。


■宮本の不在
一体どれだけの人がこれに気がついてくれるのか甚だ不安ではありますが、今日の一戦に宮本が不在だったのは本当に痛かった。昨日宮本の存在価値なんて記事をUPしたけれども、裏の不安として「これ、負けることによって宮本の大きさがわかるなんてことになったら嫌だな・・・」なんて思ってたら、本当にそうなっちゃいました。

気づきました?ブラジル戦、オフサイド一度も取れてないんです。オフサイドトラップという戦術を今までの歴史の中で幾度と無く多用してきた、フラット3なんてリスキーな戦術を選択してまで頻繁に繰り出してきた日本が、一度もオフサイドを取れていない。ラインがあがらない。ブラジルの猛攻を完全に受けにまわってしまって、サンドバッグ状態。あそこは、たとえ苦しくても、裏のスペースが気になっても勇気を持ってある程度DFラインを押し上げていかないといけない。それが出来るのが宮本だった。

オフサイドトラップって物凄く怖い。DFラインに入ってプレーしたことがある人ならわかると思うけど、あの裏のスペースをあけてグッとあがるのは、これ以上無いぐらい怖い。タイミングを一歩間違えば二列目から裏へ抜けられて即一点になりかねない。僕ならあんなリスキーなラインコントロールなんて絶対できない(笑)でも、オフサイドトラップという戦術にはそれ相応の大きな利点がある。オフサイドを取れるのはもちろんだし、前述の様にそれによって中盤のスペースを消し、連動した力強いプレッシングの土台となる。ただ、それだけじゃない。単純に敵の攻撃を中断させるわけだから、被攻撃回数を物理的に大きく減らすことが出来るし、その上マイボールとなり味方イレブンは攻められていた状態から一転、そこで一呼吸ついて自分達の攻撃から立て直せる。これは物凄い利点でしょう。

だからこそ、特に日本代表のようなチームは退いて守るときでもラインコントロールは常に勇気を持って正確に行わなければならない。けれど、坪井も中澤も敵に対応するためスペースを消そうとしてどうしてもズルズルと下がってしまう。そこを、試合を読みリスクとメリットを冷静に分析し、絶妙なタイミングで繊細なラインコントロールができるのが、宮本。日ごろからライン統率を担っていない中澤や坪井には重すぎる負担だった。オーストラリア戦、クロアチア戦、ドイツ戦、全て日本がとったオフサイドの方が多いんですよ。宮本の不在はやはり痛かった。


■やはり初戦
全ては初戦。あれがひどすぎた。
それに対して「集中力不足」だの「体力不足」だの、はたまた「守り方を知らない」という専門家がいるけど、あまりにも通り一辺倒な教科書的な反応で現実が見えていないと思う。日本人が持久力において諸外国より優れいているのはいくつものスポーツで実証済みだし、過去の日本代表もそう。集中力不足なんて、今までのどの代表よりもこのチームに一番不似合いな言葉。その集中を切らさずに幾度もの奇跡を起こしてきたのを忘れたのかい?プロの解説者の方々。「守り方を知らない」なんて、そんなの今に始まったことではないでしょう。ドーハの悲劇やフランスW杯予選で学んだのは、集中を切らさないことと同時に「日本には1点を守りきるサッカーはまだまだ無理」だったはず。「リードしていても、積極的に自分達のサッカーを」というのがこの国のサッカーの定説でしょう。

大事なのは、持久力に優れるはずの選手達がなぜ足が止まってしまったのか、なぜ畳み込まれるように失点をされてしまったのか。なぜ、最後までファイトできる長所を持っていた選手達の集中が切れてしまったのか。そこについて分析しなければ専門家の意味が無い。僕はやっぱりそれは、ヒディングの狡猾な策略であったと思うし、それに対するジーコの無策・無謀だったと思うし、もっと言えば、「3トップ相手に3バック」「自分達の能力を否定する5バック」というこの2策による「自分達のサッカーを見失った」ものだと思う。初戦の戦略性のなさ、無謀さについては既にジーコの戦術論に未来はあるのか。ヒディングは采配より戦略を評価すべき。で散々書いてきたので、ここでは控えます。


■中田英寿
やっぱり、どうにも彼の能力に改善が見られない。
内容は以前に書いた中田英寿の憂鬱。今大会においても、中田の存在は絶大であったし、必要不可欠だった。けれど、それは経験やメンタルによる部分が大きく、ボール持ったときのコンテンツが良くない。今大会にしても今日のブラジル戦にしても、ボールをキープしていても危なっかしかったり、パスミスが多かったり、サイドチェンジのパスが敵に引っかかったりと、らしくないプレーばかり。小野なら、たぶんこれらのことは安心し見ていられると思う。

ジーコや他のファンは彼を攻撃的なポジションに置くことを期待するが、どうなんだろう。僕にはどうにもそこから効果的な動きができる絵が想像できない。中田が華麗なテクニックで敵を翻弄?柔らかいタッチでボールコントロール?鋭いドリブル突破?テクニカルなミドルシュート?どれもここ数年見た記憶が無い。全て小野か中村俊輔か、松井大輔の方が期待できる。

今大会を通して、やはり確信に近い思いがある。
中田は確実にサッカーが下手になった。トラップがぶれる。ボールの扱いがスムーズじゃない。ドリブルの軌道が乱れる。今の中田はテクニシャンとも呼べない。惜しみない運動量や、激しいアタック等どうみてもファイター型のMFだ。柔らかいタッチでボールをコントロールし、中村俊輔や小野とはまた違う驚異的な空間把握能力を駆使し、まさに「トラップは自分へのパス」のお手本となるような絶妙な置き所を捉えたトラップから、天才的なボールのキャッチ&リリースでのドリブル突破。そして、敵陣の隙間をつくスルーパスに、高い決定力を誇る絶妙なミートからのシュート。あの頃の中田はどこへ行ってしまったんだ。

僕のこの講釈が大げさだと思うなら、ペルージャ時代のビデオやフランスW杯予選・本戦のビデオ、首都圏にお住まいならnakata.net cafeにでも行って見て欲しい。僕が書いた上記のセリフが嘘じゃないとわかるから。付け加えれば、この当時のビデオを見てビックリすると思う。中田は結構速い。スピードがある。この当時の中田なら、どんなライバルが現れようとトップ下のポジション以外考えられないと思う。

やっぱり、筋肉をつけすぎたのだと思う。
ロビーニョもカカーもロシツキーもそんなに筋肉質な体じゃない。中田だって、当時のビデオをみると今よりふっくらしている。中田には、一度代表のことを忘れてほしい。そしてリーグやチームのレベルを落としてでも自分が王様になれるチームへ移籍して、ほどよく筋肉を落とし、テクニックとフィジカルの奇跡のバランスを取り戻して欲しい。そして、あのころの様にサッカーを楽しんでいた"ヒデ"に戻って欲しい。今の経験、価値観にあの頃のプレーコンテンツが戻れば、次の大会でも必ず必要なMFになる。サッカーを楽しめ、中田英寿。


■三都主(加地)
なんだろう。
今大会を通して、かれはさほど悪くなかった。
三都主の突破でできたチャンスもあったし、パスワークに参加したときも悪くなかった。もちろん、相変わらずの稚拙な守備や、軽いプレーはある。けれど、それも以前ほどではないし、守備に関して言えば完璧を求めるのは筋違い。元々攻撃のタレントなのだから、守備はある程度目をつぶらないと。そういう意味で、三都主は攻撃の一翼を担っていたし、満点ではないけど不合格でもないと思う。これは、加地も同様。悪くなかった。クロスの精度が怪しかったけどね・・・。


■遠藤の選出と松井の不選出
今大会中、何度松井の姿を探したことか・・・。
少なくとも間違いなく、クロアチア戦に松井が出ていれば効果絶大だった。足の止まったクロアチアにあの独特のステップからのドリブルやパスはかなり効果的だっただろうと思う。なぜ、遠藤を選出したのだろう。遠藤の才能に疑いの余地はない。しかし、いかんせん出る場面が無い。彼は中田のみならず小野をベンチに追いやらなければスタメンには出れないし、途中出場で流れを変えるタイプではない。その上、3番手だと思っていたらなんと中田浩二が先に出た。ジーコは遠藤をどういうプランで使うつもりだったのか。予想通り「得失点差の関係で前がかりにならなければならない局面」は2試合も訪れ、しかし日本にジョーカーはいなかった。唯一ジョーカーになりえた男をみすみす国で留守番させてしまっていたのだから。やっぱりどうしても、松井が必要だった。


■今後の日本代表
4年後4年後というが、何を言っているのだろうか?
違うでしょ。
まず2年後でしょ。
とりあえずまずは北京五輪でしょ
確かに今大会は残念だったけど、国内に残してきた猛者はまだまだいる。
この北京世代にはカレン、本田、増島、鹿島の内田、森本、家永、水野、広島の前田そして平山。
アテネ世代はまだまだこれからだ。
松井、田中、大久保、今野、小林大悟、阿部、磐田の前田、闘莉王、そしてなんといっても長谷部。

今回の代表のメンバだって小野は南ア大会でもまだ30。
元々スピードやフィジカルで売っている選手ではない。
もっともっと円熟味が増して、守備にも攻撃にも大きな影響を及ぼせる選手になるだろう。名波を超えられるのは小野だけだ。

たかだか三回目の、初回のお客様が終わり二回目のホスト国が終わり、事実上W杯出場国として始めての戦いが惨敗だったに過ぎない。日本サッカーはまだまだこれから大きく発展していく。

こんなところで泣いていられるか。
posted by 総さん−ソウサン− at 16:01| ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月22日

宮本の存在価値。

この記事はUPしないつもりでした。
クロアチア戦後、ブラジル戦に向けて書くつもりでしたが、当の本人が累積警告で出れない。それで彼について書いてもなぁ・・・と。

がしかし、僕自身が大きな過ちをおかしていることに気づいたのです。
宮本が出ようが出まいが、彼が日本代表のキャプテンであることに変わりはないし、なにより、まだ宮本に出番はあるはず。自分で「裏切られても良いから日本代表の勝利を信じる」と言ったくせに、これはおかしい。僕が書くこの記事だって、後々意味があると信じて書かなきゃだめさ。

ここ最近、特にW杯が近づいてからというもの、宮本の短所に言及したマスコミの記事や、それを目にしたライトなファンの宮本不必要論を目にする。わかってないなぁ。サッカーとはそんな単純なスポーツじゃないのさ。

■宮本の短所
宮本の弱点は百も承知。
上背、瞬発力、フィジカル。
攻撃者におけるフィジカルというものは「あれば良い」という、あくまで個性の範疇であり絶対に必要なものではない。リケルメも中村俊輔も遅い。メッシーは小さい。しかし、守備者におけるフィジカルというものは必要不可欠。なぜなら、その多様な個性を持ったありとあらゆる攻撃者を迎え撃たなければならないから。忍者は小柄でも良いが、門番は小柄で鈍足ではダメでしょう。

そう、宮本は単純に1vs1の守備者としては確かに厳しいものがある。
ただ、サッカーはそんな単純なものじゃない。彼とて、1on1をやっているわけではないのだから、僕が記憶している中でも簡単にぶっちぎられたことはない。無論、そのフィジカルの乏しさが日本代表の弱点となったことはあるけれども。

では、宮本は日本代表のお荷物なのか?
そんなわけはない。そんな選手に代表のキャプテンが勤まるわけが無い。
安易に宮本外しを謳う人はココをあまりに見落としすぎだ。

■ライン統率者としての能力
まず、単純に宮本の個人能力について。
とりあえず言われるほど足の遅い選手ではない(笑)
そして何より、ラインコントロール。この人のラインコントロールは本当に素晴らしい。リスクの高いラインコントロールを宮本は平然とやってのける。平然とやってのけるから、ライトなファンは気づいていないのかもしれないが、あれはDFライン統率者という観点から見れば、本当にデリケートな手綱さばき。ほんの何歩、ほんの数メートル(いやもっと細かいかも)の単位でのラインコントロールなんて、怖くて出来ないさ。宮本だけでなく、ほぼ全てのポジションにおいてフィジカルに課題を抱える日本代表において、このラインコントロールは、中盤のタレントとともに生命線といえる。頭脳明晰な上に、戦うハートや諦めない心を備え、そしてイレブンからの絶対的な信頼を得ることの出来る宮本は、間違いなくDFリーダー、ライン統率者としては国内屈指の能力を持つ男だ。


■守備力
1vs1は弱い。そりゃあ弱い。
でも、言われるほど彼は抜かれたりしてない。
よっぽど三都主の方がドリブルで簡単にやられている。
しかし、守備と言うのはそれだけではない。
危険地帯を即座に見抜き、そこへ真っ先に飛び込む能力。
敵がドリブルで突っかけてきたときに、それをセーフティーに切る能力。そう、宮本は守備センス自体はかなり高い。この人は高さが圧倒的に不足しているだけであって、別に単純に守備力に乏しいわけではない。2002年のW杯、日本の素晴らしい守備を支えたのは紛れも無く宮本だと言う事を忘れてはならない。


■キャプテンとしての能力
宮本のおかげで、どれだけ助かっていることか。
サッカーというものは人間がやる以上、メンタルや空気感、モチベーションに左右される。こと、超一流のプロが集まる日本代表となれば、さまざまな心理ストレスが働き、より一層メンタルコントロールは重要となってくる。そこへくると、宮本は崩れることが無いし、他の選手に与える影響も大きい。今でも忘れないのはアジアカップ2004のヨルダン戦。川口のスーパーセーブばかりが取りあげられるが、あの過度なプレッシャーのかかるPK戦の最中にピッチの悪状態に気づき、流暢な英語で審判に講義し、エンドを変えさせるなどという行為は、宮本以外の誰に出来ただろうか。これはそれまでの日本サッカーの歴史を探ってみてもそうはいない。

中田英「ツネは人と人を繋いだり、前に立って皆のモチベーションをあげたりだとか、そういう部分が凄く上手い」と語っているが、まさしくそれが統率者という面で中田英の持ち得ない宮本の能力なのだろうと思う。中田英にそのようなコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力は無い。自らもサッカーをする人間なら良くわかると思うが、ピッチ内外に問わずチームの安定というものは非常に重要で、結局そこが崩れてしまえばチームは単なる個の集まりとなり、どんな相手にも良いパフォーマンスが発揮できなくなる。人間というのは、チームというのはそういうものだ。

チームを個の寄せ集めではなく、戦う集団とするために、そして選手が遺憾なくその能力を発揮するために宮本が担っている役割はあまりにも大きい。少なくとも「ジーコジャパン」における宮本の存在は絶大だ。

ウイニングイレブンでシュミレーションをして満足しているマスコミなんかにわかるもんか。宮本の能力はゲームで表現できないところにこそ、その真骨頂がある。ゲームの中にいる宮本というお面をかぶったブサイクなAIシステムは中澤に終了間際のオーバーラップを指示することなんて出来ないだろう?ゲームで使うなら宮本の意味なんてないんだ。

だから、このまま終わらせてはいけない。
このまま国民に宮本の能力を見誤ったまま終わらせてはいけない。

日本代表よ。
いや、坪井よ、中澤よ、加地よ、三都主よ、駒野よ。
君達のリーダーをこのまま終わらせるわけにはいかないだろう?
もう一度、我らが日本代表のキャプテンをピッチに連れ戻せ。

そして見せてやるんだ。
バカなマスコミに、僕達のリーダーの素晴らしさを。
posted by 総さん−ソウサン− at 19:23| 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月21日

合言葉は"宮本をもう一度あの場所に立たせろ"

ブラジルに勝たなければならない。
しかも2点差以上。2−0か3−1だ。
世界最強、史上最強と謳われるチーム相手にこのスコアをたたき出すのは至難の、いや死難の業だ。絶体絶命とはまさしくこのことか。

と、うなだれていても仕方がない。
どうすれば勝てるのか。勝とうという意志を持つことの方が大事だ。

2−0。
要は2得点だ。
イタリアやスコットランド、そして日の丸を背負った国際試合で数々のFKを決めてきた10番に一発を期待するのは贅沢だろうか。まだ出ていない一発を次の試合で期待するのは贅沢だろうか。決してそんな事は無いはずだ。中村俊輔のFKが世界に脅威を与えることは僕達が一番良く知っている。距離との折り合いさえつければ、間にブラジル人が何人いようがFKには関係ない。個人能力?FKにそんなものは関係ない。あるのはキッカーの精度だけだ。

今まで数々の奇跡的なゴールを大黒に求めるのは間違いだろうか。敵陣の中に身を潜め、ギャップを見つけ出し走りこみ、ボールを枠に捕らえるのを期待するのは無理があるだろうか。決してそんな事は無いはずだ。中盤での攻防をなんとかこらえて、なるべく多くのボールを大黒につぎ込む。伝統的に守備の強い国ではない相手。敵陣のギャップを見出し、ほんの一度でよい。ボールをゴールに叩き込む。出来ないことはないはずだ。3−1ならもう1点だ大黒。昨年は君にもう一度チャンスがあったじゃないか。あれを決めれば良い。


マスコミは2点3点取ることの難しさ、必要性を語るばかりだが、どちらかというとブラジル相手に無失点で切り抜ける方がよっぽど難しい。守備の方が実は問題なのかもしれない。しかし、昨年は中澤がいなかった。敵にもカカーがいなかったが、ロナウジーニョとロビーニョを有している相手と比べれば、チーム内の重要性で言えば中澤の方が上だ。それぐらい、僕達は中澤に頼りきっている。その、中澤が今回はいる。これほど頼もしいことはない。そして、どうやら稲本も調子が良さそうだ。持っているポテンシャルで計れば日本屈指のボランチ。爆発してもおかしくない。昨年、ブラジルは負ければ予選敗退だった。今回は違う。昨年ほどの圧倒的な攻撃力は無いはずだ。




なんだ。
結構良い材料もあるんじゃないか。





もう無理だ、日本さようなら、日本はダメだ、所詮その程度の実力?
言いたい奴には言わせておけばいい。
それは、本気で信じることを恐れた臆病者のリスクヘッジだ。
僕らサッカーファンにはそんなものは必要ない。
今こそ我らKINGカズを見習うときだ。
ボロボロに負けて裏切られて傷ついたって構わない。
それでも僕らは日本代表が好きだから。

あきらめるな。
合言葉は"宮本をもう一度フリッツ・ワルターのピッチに立たせろ"だ。
posted by 総さん−ソウサン− at 15:18| 🌁| Comment(6) | TrackBack(3) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月20日

日本vsクロアチア。

遅くなりましたがクロアチア戦。
川崎のチネチッタで見てきました。
いや、戦ってきました
あんなに声だしたの久しぶりだなぁ。
相変わらず試合に則した応援が出来ていないのが気になったけど・・・。
おーばもにぃっぽおん〜とニッポン!しか言えないのかしら?

試合の方ですが、不満もあれば満足した部分もありなんとも言えない試合でしたね。評価が難しい。柳沢にはさすがに失望したけど・・・。さすがに、あれを決めなきゃピッチに立っている意味すら疑われるよ・・・。柳沢の超決定的シーンを外したことについて、ジーコ「準備不足」と苦言を呈しましたが、それに対して数多くの方が「怪我明けのまま選出したのはお前だろ!」的な怒りに満ち溢れたコメントやブログを書いてます。

それは違うでしょ(笑)
メディアに左右されすぎだから。
ジーコが言っているのはコンディションの問題じゃない。「FWとしてのあの場面に対する準備が出来ていない」ということでしょ。世界のFWは、どんなに突然のビッグチャンスでも、常にそれに備え体をそこに集中している。90分間眠っていても、ほんの数秒のチャンスを虎視眈々と狙い、それを決める。そのためには、それ以前から心と体の準儀をしていなければならない。FWというのはそういう仕事。その面においていつでも準備万端で狩りをする獣のごとくゴールを狙っているアドリアーノは、あの場面でも慌てず適切にインサイドキックを選択してゴールを奪っているだろうっていうこと。柳沢には、そのメンタルや姿勢が乏しいと言っているのですね。

だいたいねえ、コンディション云々であの局面でインサイドを選択せずにアウトサイドで蹴ってしまったとするようなデリケートな選手はプロにはなれないですよ(笑)あの場面でアウトサイドをインサイドに変えるなんてコンディションが悪かろうが出来る人は出来るし、出来ない人はコンディションが悪くても出来ない。「体が重くてアウトサイドで蹴ってしまった」なんて笑っちゃうでしょ。アウトサイドで蹴る方が体に負荷がかかるっつうの(笑)

おっと、柳沢の話ばかりになってしまった。
試合全体としては、悪くなかったと思います。
っていうかね、いまさら言っても遅いんだけど、もう本当にコレが言いたい。



どうしてはじめっからコレを目指さなかったんだよジーコのバカ


オーストラリア戦だって、始めから同じようなスタンスで臨んでいれば、結果は今とは見違えるものだったはずだと僕は確信してしまいましたよ。根拠は過去の日記「ヒディングは采配より戦略を評価すべき。」でも読んであげてください。

クロアチア戦。
全てが全て満点ではない。もちろん。勝てなかったのだから。
けれど、後半スタミナ切れするまではボールも人も動き、中盤を圧倒的に支配。得点チャンスもそこそこ作れてました。中盤でプレスをかけ、奪ったら攻撃へ展開し、速攻が適わなくなったらポゼッション重視で敵陣を崩しにかかり、両SBは激しい上下動を繰り返す。まんま、日本が今までやってきたサッカーじゃないですか。加えて言うなら、リズムの緩急に乏しく、FWに迫力が無く、少ない決定機を確実に決めることが出来ない。もうほんと、我らが愛してやまない日本代表じゃないですか。W杯はこれでいいんですよ。自分達のサッカーを、力を、いかに100%に近い状態で発揮するか。それが勝利へ繋がる。そして、自分達の力を出し切った先に、そこからどうやって修正し伸びていくのか。ココで伸びたチームが上に行く。

確かに、ピンチはあったしカウンターをバシっと決められた時もありましたが、そのリスクを全く問題ないレベルまで下げられたら、それは日本代表じゃないです(笑)自分達で試合をコントロールしながら、世界を相手にすればDFラインの脆さも出てしまう。そんなリスキーな駆け引きで勝ち負けを得てきたのが、日本代表のサッカー。だから、もう本当にクロアチア戦は思ったとおりの試合。いくつかの決定機を決めていれば勝っていた。いくつかのピンチを決められていれば負けていた。そんな試合。

振り返ってみれば8年前。
これほど試合を掴めていなかったし、チャンスは今回よりずっと少なく個々の能力でも勝てていたとは思えない。そしてシュケルに決められ敗北を喫した8年前を考えれば、クロアチア相手にあのようなパスワークで中盤を制し、得点機もそこそこ作れたのはとても評価してよいこと。素晴らしい。

ではなぜこんなに不甲斐なく見えてしまうのか。
当たり前に2戦目だから。初戦でこの試合だったら、確実に合格点でしょう。2002、1998のどちらの初戦よりずっと良い試合をしていたと思います。だから、冒頭の一言。

どうしてはじめっからコレを目指さなかったんだよジーコのバカ

5バックにリトリート守備に、ポゼッションを無視したカウンター重視。誰がどうみても、今まで日本代表がやってきたこととは正反対。むしろ3-5-2で挑んでくるクロアチア以上に、オーストラリアの方が4-4-2で相対するべき相手だったのに。結局、ジーコは口癖の様に「選手を信じている」と言っていますが、最後の最後、本番では信じることが出来なかった結果だと思います。選手を信じきることが出来なかったから、後ろ向きなスタンスとなり、日本はヒディングの策略の坩堝にはまっていってしまった。



まあ、今さら言っても始まらない。
もうブラジルに2点差以上で勝つしかない。
それしかないんだから、それを全うするだけ。
頑張ってくれ我らが日本代表!
posted by 総さん−ソウサン− at 14:00| 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月14日

18日の件についてご相談がございます。

ブラジル様
ご担当者の皆様

平素大変お世話になっております。
日本代表でございます。

昨日13日には無事強豪企業のクロアチア代表様を退けたとの事で、おめでとうございました。もとい、ブラジル代表様のお力であれば当然のことかと思われます。世界一部上場企業の御社ですから、企業戦略として全勢力の収集は5試合後にスケジュールを段度っておられるかと存じますので、昨日の収益が1得点に留まったこともこちらとしては驚きはございません。ますますのご発展をお祈りしております。

さて、私ども日本代表でございますが、御社から代表監督として派遣いただいている神様の手違いで、32年ぶりに上々を果たしたオーストラリア代表様に後塵を拝する結果となってしまいました。誠にお見苦しい限りでございます。

そこで、手前勝手なお願いで誠に恐縮なのですが、18日にブラジル様がお手合わせをなさるオーストラリア様についてですが、是非ともいつもより若干多めに収益をあげていただけないでしょうか?御社のお力であれば7試合目にご披露いただける姿の3割引でも、かのオーストラリア様を退けることができるかと思います。そこを、何卒1〜2割引にとどめていただければ御社の収益が大幅あがることも十分に可能かと私どもは考えております。特に、御社の宝であるカエル顔のお方に是非ともお一言「神様からのご依頼」とお伝えいただければ幸いです。

もちろん、クロアチア様については私どもの方で全力を持って叩かせていただきます。御社が昨日に叩いてくれたおかげで、クロアチア様も全社をあげて収益を得ようとがっぷり四つで組んでいただけると思いますので、私どものような貧弱な体の持ち主でも、やり方次第で収益をあげられると踏んでおります。3度目の上場企業、そして8年前に全く同じ組で退けられておりますので、8年分の思いのたけをぶつけてまいります。

心配はございません。弊社の柱である金髪の社員も海外出向により今はすっかり大人になりチームの秩序を保つ存在でございますし、8年前に新入社員として皆様にお披露目した社員は、遊び心を押さえ今では頭を丸め修行僧のごとく落ち着きを持った社員へと成長しております。必ずや御社の後に続きクロアチア様を退けてご覧に入れます。


いつもいつも御社にはお世話になりっぱなしで、弊社のような未熟な一企業がお願いをするのは恐れ多いことは重々承知しております。しかし、私どもは弊社設立当時から、御社のご指導によりここまで発展を遂げ、弊社は御社のことを親御様のようにお慕い申し上げております。ここは一つ、息子のためにひと肌脱いではいただけないでしょうか?

これまでお世話になったことは誠に感謝しております。
御社からは優秀な人材を数多く派遣していただき、弊社の社員への影響も計り知れません。現在代表監督である神様には選手として派遣いただいた際には大変大変お世話になっており、「正社員の心得」の教えをもとに数々の優秀な社員が育ちました。また、95年には闘将様を磐田支部に派遣いただき、弊社の歴史に大きな足あとを残す磐田支部"猫背の7番"や、今回の上々にも大きく貢献した"元FWのイケメン"も、闘将様あっての成長と捉えております。
93年以降からは神様のご尽力により、神様の弊社の文化に対する配慮もあったのでしょうか、弊社の神話にも通ずる"カッパ"を派遣いただいたり、昨年私どもに"誤った牛肉"を送りつけてきた経済的大企業を相手に、94年に肘打ちを披露した"ジャングル大帝"様等、多数の優秀な人材をご提供いただきました。現在でも、"合衆国首都"様や、大阪支部にて司令塔としてご活躍いただいている"チビ太"様他、たくさんの方々にお力をいただいております。弊社の未熟な社員育成のため、各支部3名までと派遣社員の数に制限を持たせておりますが、その中でもやはり御社からの派遣社員が最も多いかと思われます。時に、昨年弊社営業成績NO.1を収めた"荒"様はお元気でしょうか?


また、御社から派遣いただいた方の中で、特に弊社の環境を気に入っていただき、正社員として勤務された方もおられました。"モジャモジャ頭の熱血男"は弊社のどの人間よりも愛社精神に富み、弊社の家庭料理の一つである"お茶漬け"の宣伝担当になったこともありました。現在上場している代表チームにおいても、一名御社から弊社の社員として入社している者もおりまして、営業成績の方はあまり芳しくありませんが、彼はしっかりと通訳として活躍しております。

お願いに際して、お心苦しいのですが御社より派遣いただいた方の中には、組織の歯車として適切でない行動を取られる方もおりまして、派遣契約を結んでいるにも関わらず、契約期間中にカタールへ飛んでしまう方がおられたり、開幕直後に御社に戻ってしまう方がおられたり、戦略として組み込んでいるこちらは非常に困ってしまいました。あ、お二人とも浦和支部所属でした。今回のご依頼に際して、こちらの件も合わせてご一考いただければと思います。


わかっております。
昨年の仮上々市場においては、弊社が必死になるあまり、御社とのお手合わせの中で、弊社からスコットランドへ出向しているきのこ頭や、弊社の伝統として伝わる七福神の一人、大黒天が誤って御社に危害を加えてしまい、大黒天に至っては最後に再び捨て身の暴行を働き「足で打つか迷った」などと、子会社社員にあるまじき発言をしたこと、一連の騒動において大変ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

しかし、弊社の方もなんとか社全体の発展に尽力を尽くし、その結果御社にあのような暴行を働いてしまったのですが、悪意はなかったことをご理解いただきたく思います。また、一次突破を御社と争うことになるなど弊社としても恐れ多く避けたく、仮上々市場においてはそのような事態を避けられなかったための騒動であることもまた事実かと思います。そのような事態はなんとしても避けたい旨、このようなお見苦しいお願いをしているのをご理解ください。

え?
ドイツ様ですか?
確かに弊社はドイツ様にも大変お世話になっておりますが、ドイツ様からは市原支部に"がに股トリブラー"様、浦和支部に"あしながオジサン"様以来、あまり優秀な人材を派遣いただいておりません。私どもにとってはいくらドイツ様でも、ブラジル様と天秤にかけたら足元にも及びません。

弊社はブラジル様のますますの発展をお祈りし、今後も良いお付き合いをさせていただきたいと思っております。何卒、大量得点(あ直接言っちゃった!)の方宜しくお願い申し上げます。
posted by 総さん−ソウサン− at 12:14| 🌁| Comment(6) | TrackBack(1) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月13日

ヒディングは采配より戦略を評価すべき。

一夜明けて、そして昼休みです(笑)
失意の念が消えないままですが、一夜明けて(夢に出てきて?w)少し冷静に見れるようになりました。

そうすると、あれよあれよと考察が浮かんできて、もう止まらない(笑)
サッカー好きな人はこれ読んで賛否両論楽しんでください。

■サッカーにおける数字という概念
日本人監督はこういうの非常に得意です。
たぶん、ドイツの影響が色濃いからでしょう。
そこに攻撃性における部分においてブラジル的な発想が加わっているのが、今現在の日本人指導者の平均的姿じゃないかな。

ジーコにはこの数字の概念がないらしい。
田中誠がアウトになって、追加選手を呼んだのが茂庭。
DFライン統率者は確実に2から1へと減ってしまった。
その宮本は初戦でイエローカードを貰ってしまった。
ポジション的にもう一枚貰うことは容易に想像できる。というか、そこに対して想像力を働かせリスクヘッジをしない(控えにもう一人おかない)のははっきりいって無謀を通り越して無策だろう。

■ピッチ上の人数換算
また、このブログで再三述べているようにピッチ上の人数換算というものに意識が全く向いていない。昨日の試合は、なるべくしてなった試合であり、それは巷が騒ぐような「結局実力の違い」では到底無い。どう間違っても、オーストラリアよりドイツの方が強い。ブラジルの方が強い。当たり前だが、ビドゥカよりもクローゼやアドリアーノの方が力は上だし、キューウェルよりも確実にシュバインシュタイガーの方が動きはキレているし、ロナウジーニョは言わずもがな。いまさら、個人対個人で遣り合えば劣るのは当然の話。そこを、いかに走りぬいて敵陣にギャップを生み出し、そこに洗練されたパスを送り込み得点機をいかに作り出すかが、日本代表の強みでしょう。

オーストラリア戦は、それが出来る状態ではなかった。
システムなどというものは所詮ピッチ上での人の配置に過ぎない。されど、人の配置だからこそ、それは「戦線における戦力分布」でありとても重要なものだ。それによって、ピッチに立つ戦士である選手の意識も変わってくるのだから。その戦力分布であるシステムにおいて、ジーコの思考には「敵陣との相対的な人数換算」というものが欠如している。

■サイドとセンターDFの相対的人数剰余と不足
再三再四ここで述べているように、サイドの攻防における人数と、センターDFの人数の不一致。敵は1トップ。こちらは3バック。敵のサイドはウイングとサイドバックの二人(これは正確には違ったのだが)。センターDFに3人も割いていれば、サイドの守備はアウトサイドに選手に任せるしかない。三都主と駒野。故に、二人はDFライン吸収されることを余儀なくされ、そしてジーコもそれを選択した。この時点で既に敵に対して後手を踏んでいるのだが、問題はその先。中盤であるはずの両サイドがDFラインに下がるのだから、中盤の枚数は単純に2枚も減っている。その状態でどのように攻撃を構築していくのか。トップ下の人選は中村ではなく、中田でなければもたないだろう。キープ力、守備力、繋ぐ力という点においては、中田英は中村を凌ぐ存在。中村はもっとパスの選択肢がある中でこそ輝く天才。孤立して巨人達に囲まれたまま活躍できるタイプではない。

結局、ジーコの思考回路には「対敵相対人数換算」というものはなく「ガッチリ戦うなら3-5-2」「柔軟にリズムある展開で戦うなら4-4-2」という2択に、一方の選択肢のオプションとして「もっとガッチリ守る5-3-2」という2択+αしかないのだろうと思う。


■ヒディングの周到な戦略
ここへきてW杯初戦、vs日本という見地から考えるヒディングの戦略は本当に用意周到で、これぞまさしく「イヤラシイ監督」の真骨頂だった。マスコミでは、交替カードがあたり策士の采配と称えているけれども、そんなことより僕が評価したいのは、それ以前のこの試合に対する準備。後から見れば見るほど、この監督相手にいかに日本代表、もといジーコが無策なのかが見えてしまう。それほど狡猾な戦略だった。


■日本の弱点
・上背のなさ
・身体能力の低さによる球際の弱さ
・3-5-2における両サイドの守備。

・3-5-2における両サイド
3-5-2の両サイドを突くのは、ヒディングにしてみればもはやお家芸。格好の餌食だ。相手が3-5-2でなくとも基本戦術として4-2-3-1システムを敷いているのだから、相手が3-5-2で挑んでくるのであらばもはや考える必要も無い。自慢のアタッカー陣を相手の弱点に注ぎ込むだけの単純作業だ。

・上背のなさ、身体能力の低さにより球際の弱さ
仮に、日本が両サイドを下げオーストラリアの4-2-3-1に対抗してきたとしても、個人能力でサイドの攻防は上回る。そのうえ、もう一人サイドバックとしてサイドに人材をつぎ込める。サイドの攻防に不安はない。そして何より、中央にはビドゥカがいる。日本が退いてくるなら執拗にサイドを突いて、高い位置からボールを中央へ放り込み、こぼれ球も体格に勝るオーストラリアが拾える確率の方が多い。これで、日本を自陣に釘付けにできる。

そう。
整理してみれば、本当に本当にある一つの事実が浮かんでくる。
「日本が自陣に退いて守備をする」というのは、ヒディングにしてみれば思うツボだったのだ。これ以上の得策はないほどに。それは下記「■日本の長所」でもっと顕著になる。

■日本の長所
言わずもがな、中盤の華麗なパスさばきに流麗なポジションチェンジから成る圧倒的な幅のある攻撃。昨年のコンフェデ、そして先日のドイツ戦を見たらどんな監督でもあの展開は恐るべき事態だったでしょう。あれをまともに発動させたら、鈍重なオーストラリアDF陣では歯が立たない。狡猾で理知的なヒディングなら、まず間違いなくこう考えたに違いない。


「あのパスワークを発動させてはならない」
コンフェデ・ブラジル戦のようなパスワークを展開されたら、オーストラリア自慢のサイドアタックどころではない。中盤の主導権を握られ鈍重な守備陣のプレスはいとも簡単にかわされ、混乱の最中にヤナギサワによって守備陣に致命的なギャップを生み出され、そのギャップを日本のナカムラとナカタは見逃さなずにパスを送り、タカハラやオオグロはドイツ戦のようにそれをゴールに突き刺すだろう。もしもタマーダが出てきたら、その混乱の中PA付近で彼にボールをもたれたら、ギリシャをズタズタにしたそのスピードにオーストラリアDF陣はついていけるはずもない。

事実、試合後にヒディングは日本の中盤をどうにかおさえなければならないと思ったとインタビューで答えている。では、日本のパスワークを発動させないためにはどうすれば良いか?誰しもがそう考えるとおり、日本の創造性を維持する生命線である中村と中田英を潰すべきだ。とくに、中盤の低い位置から有効なパスを連発する中田を潰せば、日本の攻撃連鎖はほぼ食い止められる。

しかし彼ら二人を抑えるのは、彼らに複数人のマークをつけるだけでは無駄になる。もともと長い時間ボールをキープするスタイルではない。簡単にボールをはたかれ、マークが置いて行かれて結局あのパスワークが発動してしまうだろう。彼らを止めるには、彼らに激しいプレスをかけるのと同時に、彼らのパス先の選択肢を減らさなければならない。

その点において、本当にヒディングは狡猾な戦略を練ってきたといえる。日本が3-5-2で臨む場合、パスをまわすためには両サイドが中盤と並列に位置していることが絶対条件。中盤のセンターに3人を割きながら常時両サイドにも一人ずつ常駐させることで、各選手が自ポジションに留まるだけで戦術的リスク無く右へ左へワイドに展開できるのが3-5-2の利点。自ずと、その両翼を後ろに封じ込めてしまえれば、その展開力は半減する。横パスが出来なくなるのだから(ドイツ戦においてよい時間帯だったのは駒野が高い位置を維持していた時間とイコールだということがそれを如実に証明している)。そして、実際上記3-5-2の弱点を執拗に突くことで、ヒディングはそれに成功している。

・2トップへの対応
ココは本当に驚かされた。
たぶん、ヒディングはオーストラリアのDF陣(しかもポポビッチ抜き)では、高さでは勝ててもスピード勝負をされたら高原と柳沢を抑えることは難しいと考えたのかもしれない。なんと、3バックできた。そしてなんとなんと、攻撃時は4バック、守備時は3バックで対応してきたのだ。なんとも理に適った大胆な戦略・・・。

3バックというのは、本来対2トップ用に編み出された守備システム。敵2トップに一人ずつDFがつき、そしてもう一人余らせてこぼれ球を拾う。たぶん対2トップという意味では完璧な戦術だと思う。守備時に3バックにすることで、日本パスワーク第2の基点であるFW陣を潰す。2トップにボールが入ったら、3バックの長所を存分に活かし、果敢にアタックをする。高原と柳沢はそれを中盤にきれいに落とすのが役目だが、中盤の中村と中田以外に、本来いるべきはずのサイドが上がってこない。彼らの落としどころは結局、ほぼ一つしかなかったということになる。オーストラリアにしてみれば、パスする先がほぼ読めているのだから、これほどプレッシングのかけやすい相手もいない。中田と中村に落とすとわかっていて、彼らにアタックすればよいのだし、そのナカナカコンビにも、パスの選択肢が無い。これが日本にまた悪循環をもたらした。

また、攻撃時4バック→守備時3バックという変則システムは別の面でも効果を発揮した。三都主や駒野がボールを保持しても、何か余裕が無いというか、強烈なプレスがかかっているなと思ったが、その答えがこれだった。

攻撃時
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□□□●□□□□
□●□□□●□□
□□□●□□□□
□□●□●□□□
□□□□□□□□
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 ↓

守備時
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□●□□□●□□
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□□□□□□□□
□●□●□●□□
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4バックの時は、攻撃にタテの深みを持たすためにサイドバックが必要。しかし、守備時には相手がサイドを高い位置で突いてこないのだから、はっきり言って不要どころか、サイドバックとウイングの間に出来るスペースを埋めるため、味方ウイングが下がって対応しなければならない。だったら、4バックのサイドバックを前にあげれば良い(実際はすんなり両サイドバックをあげて対応したわけではないけど)。

3バックの弱点は両サイドの守備。
けれど、その両サイドをつくであろう敵(日本)のサイドの選手は、自分の前にいるのだから、その敵を抑えれば自分の背後を突く敵選手はいない。そして、そうすることによって、敵のサイドの選手を味方(オーストラリア)ウイングを高い位置に維持させたまま二人で挟み込むことが出来る。

結果、三都主や駒野は自軍の低い位置でも強烈なプレッシャーに晒されることとなる。これがまた、日本の両翼を自軍に釘付けになる要素をつくり、尚一層日本の中盤は機能しなくなり、攻撃は単発で終わり、ショートパスはプレスによって掻っ攫われ、またオーストラリアの攻撃が始まる。


こんなことを試合開始からずっと続けられれば、そりゃあ坪井の足の痙攣も仕方なしというものだし、スタミナが減り終盤に集中が切れてしまうのも、もはや筋書き通りというもの。


■今までの敵にヒディングはいなかった
今までの大きな大会、コンフェデ、欧州遠征。
日本は世界を驚かせるコンテンツを見せたことは幾度と無くあり、日本のサッカーファンはそんな時代が来たことに胸を躍らせた。しかし、ドイツにせよブラジルにせよ、チェコにせよイングランドにせよ、誰も、どんな敵も「日本を執拗に分析し、相手の長所を消しこちらの長所を発揮する」という対応をしてきた相手はいなかった。

ヒディングはそこが全く違った。
これでもかこれでもかというほど、日本を分析し確実に弱点を突き、長所潰してきた。これだけのことをされて、勝てるほうがおかしいと思う。

ジーコはあまりに無策だったのではないだろうか??

<このエントリーのTB先>
武藤文雄のサッカー講釈
majestic blue:z-net blog
posted by 総さん−ソウサン− at 12:49| ☔| Comment(6) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ここまで予想通りになるとは・・・・。

今、オーストラリア戦を見た後です。
正直、ショック・・・。
いや、予想できるスコアだったし、今までこのブログで書いている通り、予想できる試合展開でした。

ともかく、DFラインが上げられない。
3−5−2の両翼がDFラインに吸収されてしまい5バック。
それで守れれば良いケド、そこで守れても結局バイタルエリアにスペースが出来てしまう。なぜ、バイタルがあくのか。それは、攻撃の時にかなり悪いボールの奪われ方をしているから。なぜ、ボールが悪い形で奪われてしまうのか。それは、2トップと中村・中田英にボールが入った時に、ボールを預ける選択肢が少ないから。少ないから、プレスをかけられてボールを奪われてしまう。なぜ、ボールを奪われてしまうか。パスの選択肢となるはずの両サイドの上がりが極端に遅いから。なぜ、両サイドはすばやくあがってこれないのか。5バックだから・・・。

悪循環ですね。
中盤で優位に立てない=ラインを高く設定できない。
ラインを高く設定できないと、攻撃の時にパスの選択肢が増えない。
パスの選択肢が増えないと、効果的な攻撃が展開できない。

その根本たる原因は何か。
やっぱり、システムだと僕は思います。
初めから終わりまで、懸念されたDF陣は奮闘しました。
中澤はビドゥカと対等以上に渡り合っていたと思います。
けれど中盤は完敗。完敗と行っても、我らが日本代表の持ち味を十二分に出し切ったとはおせじにもいえない。出せないような悪循環でしたからね。

3トップに対して、なぜ3バック。
ココを頑固に変えられないからこそ、3バックではサイドを補いきれないため5バックになる。5バックでは、中盤で競り勝てない。つまり、そもそも3バックの選択に誤りがあると僕は思う。今日の中澤の動きを見れば、充分に4バックでも対応できたのでは?と思う。守備は崩壊したが、決して日本DF陣の責任ではないもの。それより、バイタルエリアであれだけフリーの時間をつくった中盤の守備に責任があるとおもう。全責任を負わせても良いほど、今日はバイタルエリアが空いていた。ハッキリ言って、終盤に失点を重ねたが川口が当たっていなければ、もっと失点していてもおかしくなかった。

結局、相手に物怖じして自分達の戦い方を失ったか、常に見失わなかったかだと思う。今日の試合、オーストラリアは自分達の戦いそのものだった。日本はどうだっただろう。どう見ても、積極的に自分達のサッカーをしようという風には見えなかった。5−3−2ではそもそも無理だろう。


希望は0じゃない。
一刻も早く4−4−2に戻す事を祈る。




そして、小野をピッチに出せ。
posted by 総さん−ソウサン− at 01:04| ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月12日

日本代表の鍵を握るのは福西。

W杯始まりましたね。
面白くて面白くて眠くて眠くてしょうがありません。
ビックリしたのが、民放及びNHKでの試合放送の多さ。
今の所、ほぼ全ての試合をどっかしらでやっている気がするのだが、果たしてどうなんでしょう。実況の稚拙さはともかく、とても嬉しい事態。スウェーデンvsトリニダード・トバコはちょっと感動してしまいました。

さて、我らが日本代表。
今日からW杯参戦です。もうドキドキしてドキドキして・・・。
昼休みなのにこんなこと書いちゃってます(笑)

マスコミでは中田がどうだの、中村俊輔が鍵を握るだの、ビドゥカvs中澤だのと騒がれておりますが、僕が注目しているのは福西。彼の出来次第で日本の行方は決まるとすら思います。

■日本の"らしさ"
鍵は「ボール奪取能力」。
日本が日本らしさを発揮するためには「相手に走り勝って自分達のスペースを作ること」by中田英ですが、それは言わずもがなこちらがボールをキープしている状態の話。無論、守備だって走らなければならないが日本"らしさ"という話であれば、やはりそれは攻撃についての話に偏る。絶えず動き、スペースを作り、ワンタッチ・ツータッチでパスを繋ぎフィジカルコンタクトを裂け、技術と速度の勝負をさせる。そうすると「敵をおちょくる様なプレー」by中村俊輔が可能となる。

つまり、彼らが言っているのは全て「自分達の技術をいかに発揮するか」ということ。日本が誇る中盤の長所は紛れも無くそこ(技術)にある。そのためには、走りぬいてスペースを作るだけでなく、そもそもそのチャンスを数多く作ること、そしてそのチャンスを有効に活用することが求められる。要するに、守備にせよ攻撃にせよ走りぬいたところで、マイボールになる回数が少なければ意味が無いし、その成功率も高くないと相手にとって脅威とはならない。そのためには、まずFW陣にビシっとキレイなボールが入らないとチャンスにならない(日本の崩しのパスワークはそこから始まることが多いから)。自ずと、そこへボールを入れる中田英と中村俊輔がいかに良い体勢でボールを持てるかが、重要となってきます。

■長所を発揮するには
では、その二人が良い体勢でボールを持つにはどうしたら良いか。
我らが日本代表DFラインには頼りになる中澤がおり、各国エースとの対決において彼ほど心強い存在は、まず日本国籍を持つ者において他に存在しない。がしかし、毎度毎度彼にお世話になっているようでは、たぶん日本に良い結果はもたらされないでしょう。中澤は、エースに入ってきたボールを跳ね返す働きとともに、それと同じかそれ以上の時間「敵エースストライカとのせめぎあいで相手を疲弊させる」という働きに没頭してほしい。いや、してもらわなければならない。

中田英の言う「走り勝て」というのは、つまり攻撃と同時に中盤でのプレッシングも意味することになり。=それは高い位置でのボール奪取が必要ということ。さて、では日本代表の面々、それもDFラインを除く7人にボール奪取が期待できるだろうか。中村や大黒、柳沢のように、そして世界を見渡せばアイマールやメッシーの様に、攻撃というセンテンスにおいて、体格や瞬発力等は必ずしも必要と言うものではない。体が小さくても、足が遅くても攻撃は出来る。しかし、守備は違う。相手を追い込むことは出来ても、最後の最後ボールを敵から毟り取るには、フィジカルが必要不可欠(故に宮本は1vs1が弱く、中澤が重宝される)。

日本はたぶん、中盤に網を張り敵を包囲する能力は高い。今の個人能力を持ってすれば世界のどこ相手でもそれなりの高い連動したプレッシングができるとだろう。しかし、敵を囲んでからいざボールを奪う作業となると著しく弱い。だから、プレスをかけているにも関わらず2〜3人がするするっとかわされてピンチを招いてしまうことがある。たぶん、単純なボール奪取能力で言えば、日本はアジアでもトップクラスには位置していないでしょう。

■ボール奪取における第一人者
では、誰がボールを奪うのか。
中村俊輔、三都主、駒野(+FW陣)はお世辞にも期待できない。
やはり、1番手は福西だと思う。彼が、味方と連動しいかに高い位置でボールを敵から奪えるか。そしてイーブンボールをいかに拾うか。ココに代表の命運がかかっている。敵エースストライカにボールが入った後も、中澤とサンドイッチにするのは彼か中田英の役目だ。中田は攻撃への責務もあり、守備にばかり没頭しているわけにもいかない現状を踏まえれば(そして一発でかわされてしまう守備のギャンブル性も踏まえれば)、福西のボール奪取能力にかかる重みは相当なものだ。

以前にも書いたが、福西は"ボランチ"としては限界があると思う。必要最低限なテクニックやパスセンスが無い。しかし"守備的MF"として捉えれば、テクニックやパスセンスも一定の水準にあると思う。無論、フィジカルや守備も十分に世界で戦えるものを備えていると思う。守備センスには、もうひと伸び欲しいところだが・・・・。

本来なら、ここにはやはり今野が欲しかった。
豊富な運動量に、身を投げ出してもボールを止めようとする体を張った守備、球際の攻防の基礎となる守備センス。そして意外に高いパスセンス。大舞台にも物怖じしないメンタル。どんな劣悪な環境にも弱音を吐かないファイティングスピリット。フィジカルも申し分なく、我らが日本代表の足りないものを埋める存在だったと思う。


松井とともに、間に合わなかったアテネ経由に心を馳せても仕方ないか。
今日は、いや今大会やはり、そんな彼らを押し退けて代表レギュラの座にドシっと構えた、我らが誇る"守備的MF"の出来に注目したい。

願わくば大会後、中村や中田英ら"アーティスト"の活躍にわめくマスコミを尻目に、専門誌で称えられる福西の姿を見たい。

posted by 総さん−ソウサン− at 15:54| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月09日

僕は娘を持ったことがありません。−秋田小1男児殺害事件−

<秋田男児殺害>動機供述「なぜ彩香がいないのか苦しくて」

畠山容疑者の過去

実は、待っていました。
畠山容疑者の豪憲君殺害動機を。
果たしてそれは「実の娘殺しの連続児童殺害犯」なのか。
「実の娘を失った母親の異常行動」なのか。

今の所、後者みたいですね。
それでも、大抵の人は「畠山は異常者」。
もし、本当に彼女の動機が後者であるなら、世間はもう少し広い目でこの事件を見るべきだと思います。

彼女は娘を失った。それに対するケアは警察からあったのでしょうか。
マスコミは彼女を慮った行動を取れていたのでしょうか。
数多く使われるマスコミへの悪態のセリフも、現状のマスコミの有様を見ていれば何も不思議な事は無い。「容疑者」として映すから、異常な様に見える。誰だって、娘を失ったときにかぎまわられたら、そりゃあ嫌がりますよ。そんな個人のプライバシーや心情をマスコミが考えてくれますかねぇ。

「異常な母」として映っているけど、それも果たしてどこまで真実なのだか。男がどうだの、離婚がどうだの、料理をしないだの。いや、良くないと思いますよ。でも、それが彼女が娘を愛していないと言う事に全て繋がるんですか。そんなの同じようなことやってるダメなお母さん、今の世の中いっぱいいるんじゃないですか(笑)シングルマザーだって珍しくないし、そのおかげで男に色目を使っていたとしても、なんら不思議な事は無い。「目上の人には甘えてすりよって」なんて、相手(対象)が違ったらただの妬みにしか聞こえない(笑)

畠山容疑者という人は、罪を償うべきですよ。間違いなく。
どんな理由があろうと、何の罪も無い幼い命を絶った事は絶対に許されることではない。本当に子供だけは被害者にしないで欲しいと思います。まだまだ、これから楽しいこといっぱいあっただろうに・・・。ご両親はさぞ辛いでしょう。彼女を殺したいほど憎んでも、ご両親に罰は当たらないかもしれません。

ただ、僕ら第3者はもう少し冷静に見なきゃ。
畠山鈴香という女性は、母親は、まず「絶望の被害者」から始まっているんです。そこを見落としすぎだと思う。マスコミの垂れ流す愚劣な情報を抜きにして考えれば、彼女の行動はなんら不思議なものではないと思うのです。

「大事な人を突然失ってしまい"どうしてあの子が死んだのに他の子は生きているのかしら"という発想に陥ってしまった」

なんか、物凄い普通じゃないですか。
マスコミの垂れ流す「異常者」というレッテルに惑わされている部分が大きいと思います。マスコミなんて、面白ければそれでいいんだから。だいたい彼女が異常者なら、なんで一月前に同じ報道をしないんですかと(笑)

一個の人間が持っている情報なんて、全てそんなキレイなものではないですよ。ココを見ている皆さんも、もしマスコミに密着されて過去も洗いざらい調べられたら、一点の曇りも無く絶対にマスコミに叩かれない自信ありますか?僕は無いですよ。たぶん、自分の人生のパーツだけを集めて、友達とか、仕事とか、そういうのは全て伏せられて「3年で正社員を退職した中途退職者」とか、ご近所の方からすれば僕は毎晩遅く帰ってくるし、週末に地元で飲み遊んで朝帰りなんてザラだし、深夜にレンタルビデオを返却しに行く事だって日常茶飯事。3〜4軒離れたご近所の僕の印象なんて、一つ悪い噂が立てば「朝帰り深夜行動が多い、何をしているか良くわからない若い男性」ですよ(笑)

僕の母にしても、日中は出かけてばかりだし、たぶん子供の頃からカップラーメンのゴミとか多かったと思いますよ。それは、親父殿の系列会社が食品産業に手を出しているところで、カップラーメンが送られてくるところだったのです。別にまずいものでもないですしねえ。食べますよねえ。そんなことは書かないで、ゴミのカップラーメンの量だけ書かれたら、きっと僕の母は「母親失格」というレッテルを全国に向けて発信されるのでしょうね(笑)

マスコミなんて、そんなもんです。
畠山鈴香さんは、事故で娘を失った。
ただ、それも納得できない節がある。
そのような被害者に警察やマスコミは彼女をケアするような対応を出来たのか。ご近所の方々は彼女に心のケアを促したのか。どうなんでしょうね。少なくとも、マスコミと警察にそのような心身への配慮を出来る能力は無いと僕は思いますけどね。

彼女の事を「自分の娘が亡くなったからって、何の罪も無い子供を殺してよい理由にはならない」「バカで短絡的な殺人鬼」と切り捨てるのは簡単すぎる程簡単すぎる。そんなことは当たり前で、誰でもわかっているでしょう。誰も好き好んで娘の友達殺したりしませんよ。彼女は宮崎勤でも宅間守でもない。殺害を快楽とする殺人者と同列に扱っていては、その裏側にあるものが何も見えなくなってしまう。

結局ね、以前に書いた卒業式で署名運動的な事をした藤田先生の話と同じだと思うのですよ。一人の「ルール違反者」が出たとして、その違反者をただただ異常者のキチガイとしていては何も変わらないし何も解決しない。違反者はなぜ違反者になったのか。そこにも目を向けないと、結局同じ事が起きてしまう。

最近、よく思うんですよね。
マスコミが大嫌いな僕ですが、それに助長しすぎな視聴者がいるのもまた事実なんじゃないかと。この国の人は和を、いや、輪を外れることを嫌い、恐れ、そして外れたものを一気に罵倒する。誰かがミスをすると、異常者の烙印を押し、その自由がきかない"サバイバル"のストレスを、全員が一気にその一人に集中させる。まるで誰かが転ぶのを待っているかのように。心に余裕がなくなっているから。それは一個人相手でも、一企業相手でも同じ。民主党が「負け組ゼロ」だの、「失敗してもやりなおせる社会を」なんて言ってるけど、そんなの国民一人一人の意識が「失敗を許す」という風に変わらないと無理じゃないかな。もっと心に余裕を持って生きないと。

最後に、僕はこれが物凄く気にかかる。
「大事な人を突然失ってしまった極度の錯乱状態から、嫉妬をし気がおかしくなり大事な人と同じ価値の人を殺めてしまった人」を「殺人鬼」や「短絡的」だなんて口が裂けても言えません。僕にはその資格はありません。

原爆被害者の方に「アメリカにも事情があったのだし、今彼らをせめて始まらないでしょう」とは、言えないです僕は。言える人は、想像力が足りな過ぎると思いますよ。


僕、娘を持ったことも無いし、失ったこともないですから。
posted by 総さん−ソウサン− at 18:45| ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

ジーコはなぜ非公開にしないのか。

手の内さらして最終準備 世界でも異色なジーコ流

う〜ん。
ほんとこの人の考えることはよくわからんが、そんなことより責任を果たしていないと思うんですよね。攻撃的な意志や、選手を根っから信頼する勇気やその人間性はこの人の長所であり、きっと人間としては魅力的な人なのだと思います(前任者は子供っぽすぎるかな・・・)。サッカー選手としては超一流の人だったしね。けれど、どうにも視野が狭くなるときがあると思う(選手時代はあんなに広い視野を持っていたのに)。

代表監督といえど、お金を貰って働いている以上クラブチームの監督と同じプロ。であるからには、代表監督と言うのはその全ての行動が「日本が勝利できること」に繋がっていないとダメだと思うのですね。まあ、当然っちゃあ当然。その「勝利」へのプロセスはもう人それぞれでしょう。守るなり攻めるなり。

だから、練習を公開にしようが非公開にしようがそんなもんは監督のやりたいようにやればいいし、他人がどうのこうの口を挟む類の問題ではない。ただ、現時問題として、サッカーというものが緻密な戦略ゲームという側面がある以上、敵にそれを知られない方が圧倒的に有利だし、手の内を常に敵に晒すというのはマイナス効果があるのは否めない。敵に知られないなら、それに越したことはない。

そんな状況で「サッカーに秘密にできることはない」と言っても、秘密に出来ているチームがいくつもある中で「非公開にしない」と豪語するだけでは、それはただのジーコのポリシーに過ぎない。そんなどうでも良いポリシーを職場である日本代表に持ち込んでよいわけがない。

要するに、ジーコにせよインタビュアーにせよ「公開にすると、どのように勝利に繋がるのか」「試合の結果を睨んだ上で、非公開にすると何が問題なのか」を答えないと意味が無いし、そこまで突っ込まないとただのジーコの自己紹介になってしまう。

公開という姿勢をとることで「逃げも隠れもしない」という堂々としたメンタルを持つことができ、結果として試合で良いパフォーマンスが発揮できるということなのか。非公開にすると周囲とのコンセンサスが取れなくなり、選手に良くない影響を与えると言う事なのか。

プロセスは結果を見据えた話でないと意味が無い。
もっと突っ込んだ話をして欲しいですね。
posted by 総さん−ソウサン− at 17:25| 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月07日

体調を崩してしまいました。

頭がボーっとして重い感じ。喉が痛い。頭痛もほんの少し。
でも、熱は無い。だから、普通に食欲もあったりする。
口の中が痛い。口内炎がいくつか出来ている。

今週アタマからずっと。
月曜火曜と様子を見てきたけれど良くもならず、極端に悪くもならず。
ほんと、身体がウルサイって感じ。

というわけで、今日は会社を休みました。
行ってもボーっとしてミスするし、このままグズグズやってると長引きそうなので、病院へいってお薬貰ってお家で養生。今はだいぶ症状改善したかな?

病気になると、いつも以上に自分の見え方が気になります。
いや、外見とかではなく。
ちゃんといろんなことに気を配れているかな〜って。
一人暮らしをしたおかげで、やっぱり傍に居てくれる人って凄く大事だな〜と思うわけです。恋人・友達に限らずね。一人暮らしで高熱とか出すともう八方塞ですから(まあ、恋人の一人も出来なかった僕の人間性の問題かもしれませんが)。病院へ行こうにも、少し離れたところにある駐車場に行くまでにくたばっちゃうし、運転も上手く出来る自信もないし。かといって薬もなかったりするし、食事だってうまくできない。わざわざ親に知らせても極端に遠い所にいたので、心配かけるだけで何も出来ないし。結局一人寝ているしかない。

心配してくれる人がそばにいるってのは良い事です。そしてその人の財産ですね。と、同時に、やっぱり「心配かけて悪いな〜」と思う。僕、この姿勢だけは絶対に崩したくない。僕が体調を崩せば、僕が出来た事も出来なくなるし、予定を変更しなきゃ行けないことも出てくる。何より、心配をかける。「誰だって体調を崩す時もあるんだし、病気なんだからしょうがないよ」と、色んな方が言ってくれるのだけど、やっぱり僕は「心配かけてゴメンナサイ」と言いたがります。

自分の大切な人が体調を崩せば、僕だって同じように「病気なんだからしょうがないよ。気にすんな」って言います。僕が病気になった時だって、やっぱりある程度相手にはそういう度量を求めます。でも、それとコレとは全く別問題で、僕は謝るし、全力で治す努力をしたい。だって、体調管理なんて大人になったら自己責任だもん。100%っていうのは無理。体調を崩す事もある。でも、100%に出来ないからといって、出来なかった事に対して「病気なんだからしょうがないじゃん」とは、言いたくない。

心配してくれる人、身を案じてくれる人がそばにいてくれることに鈍感な人って、間違いなく「一人になること」に鈍感な人です。それが"アル"ことに鈍感な人はそれが"ナクナル"ことにも鈍感。僕は、そういう人にはなりたくない。大切な人がそばにいてくれることに敏感でありたい。

だから、僕は今日病院へ行きました。
「心配かけてごめんなさい」という言葉を、嘘にしないためにね。
posted by 総さん−ソウサン− at 21:45| 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月06日

日本代表vsマルタ代表-まあこんなもんでしょう-

昨日体調不良により1日遅れですが・・・。
サッカー系のエントリを書くと、一部の人には賞賛され、一部の人には不評を買う(サッカーに興味ないからw)そんなブログです(笑)

さて、マルタ戦ですが、まともに見ればフラストレーションの貯まる試合でしたね。でもまあ、大事な大事な初戦前。あれだけ退いた相手にはこんなもんでしょう。

中田が「走らないとサッカーができない」とバッサリ切り捨てたとおり、この試合は本当に足が止まっていました。しかも後半の4-5-1なんて愚の骨頂。「人より多く走ろう」と意識しないと機能しない面々がピッチに立ち、走らずスペースも無いのだから、うまくいくわけがない。ただ、この試合の意義を考えた場合、どうしてもこうなってしまうのもまた道理。

■4-5-1
まあ、お遊びでしょう。
本番で使えるわけが無い。パワープレーでもないし。
単に、本番で使うであろう選手を全員本番前に使っておきたかっただけだろうと思います。でなきゃ、2列目に小野、俊輔、小笠原なんてありえない。しかも本人達がサイド沿いに位置をしていなかった所をみると「4-5-1のサイドだ」ともジーコから指示を出されていなかったと思われる。これで機能するはずも無いし、たぶん真っ当に機能させるつもりもなかったのでしょう。

俗に4-5-1というとこれは4-3-3ともとれるし、より正確に表現するならば4-2-3-1というのが最も適切なシステム表現ですね。このシステムを機能させるためには、まずもって絶対に必要なのが優秀なウインガー。これなくして、このシステムは語れない。伝統のオランダ然り、オーストラリアのキューウェルしかり、02W杯の韓国然り。もし、このシステムを機能させるなら三都主はうってつけの人材であるし、日本に留守番をさせることになってしまった、松井、本山、永井等の優秀なアタッカーを登用すべき。彼らを置いてきた時点で、このシステムは現代表においては、有効なシステムではないですね。

ちょっとココから蛇足に入ります。
小野・中田英・福西(稲本)の中盤に中村俊輔を左ウイングに配置するのもありかと思いますけどね。右には柳沢か玉田かな。CFは高原。要するに、バルセロナ。中村俊輔はロナウジーニョになれ、と。無論、彼らの力量差は百も承知ですが、そもそもバルサのロナウジーニョは生粋のウインガーではないですからね。

4-2-3-1の陥りやすいワナとして「閉塞感」というものがあります。両サイドタッチライン沿いの超攻撃的な位置に選手を常駐させることによってワイドに攻撃をしかけられるのが、このシステムの利点ですが、相手もワイドな守備をしいてくると、ボールが右へ左へ移動するだけで無駄に時間がかかり決定的なチャンスを作りづらいという状況が生まれやすい(オランダやスペインがよく陥る状態)。これを防ぐのがウインガーの中への"絞り"であり、バルセロナシステム。ロナウジーニョは基本的にボールを持ったら斜め中方向へ進むことが多いし、そうやって相手DF引き連れて左サイドにスペースをあけ、そこに背後からサイドバックがオーバーラップしてくるという戦術(ただ、ロナウジーニョはそれを無視することが多いがw)。ウインガーに絶対的な個人能力が求められますが、そもそも4-2-3-1というシステムの前提条件がそれなので、そんなに難しい話じゃないですね。

俊輔がサイドの高い位置で持ち前の技巧でタメをつくり、ドリブル突破や中へのスルーパス、タテへのスルーパス、中盤への落とし(ここに小野や中田が走りこんできたらかなり強力ですね)に逆サイドへのロングパスと、こと左サイトを好む彼にはもってこいのシステムができますね。やってほしかったな(笑)


■マルタ戦の意義
大量得点で勝てればそりゃあそれが一番。
そして、マスコミも世論もそれを狙っているような発言が多かったのですが、蓋をあけてみれば1-0。批難続出。けれど、試合を見た限りマルタはそんなに弱いチームではなかったと思います。リトリートでの守備も抑えるところを抑えていたし、日本に「イケイケにさせない」という意味でのカウンターの脅威は見せてくれた。両国にFIFAランクほどの差はないとするのが健全というもの。

マルタのFIFAランクが著しく低いのは欧州の強豪の中にぶちこまれているからだと思います。実際の実力はアジアに出ればもう少し上のはず。こういう相手に、大会前最後の試合をするというのは、もう意義としては結果や内容がどうのこうのというよりは「皆、準備はいいかしら?」的なw、単なるウォームアップだと思います。ココで全力で追いきられても困るし、怪我をしても困る。そんなもんじゃないでしょうか。かといって守備の練習にもならないし。


■日本代表のメンタルコントロール
正直、僕も含めw、日本人というのはメンタルコントロールが苦手だと思います。だから、マルタ戦は気の抜けたような試合になる。状況が揃いすぎていますね。我らが日本代表が素晴らしいコンテンツを披露してくれたのは、そのとれもがメンタルコントロールをしやすい試合でした。コンフェデしかし、欧州遠征しかり。

こと、マルタ戦にのみ観点を持っていけば、その前にドイツとがっぷり四つで戦ってしまい、そして引き分けてしまったことが良くなかった。要するにマルタ戦で一息ついちゃったのですね(笑)ただここで誤解のないように付け加えると、彼らが手を抜こうとしてそうなったのではなくて、ドイツ戦の時に十二分に集中力を発揮したと言う事です。

誰でもわかると思いますが、例えばRPGのゲームや対戦格闘やアクションゲームをするとき、ラスボスや隠れボス等「一瞬でも気を抜いたらやられてしまう」という敵と戦うときと、その辺のザコキャラと戦う時では、やはり集中力も、見せる結果も変わってくると思います(笑)これは、やろうとしてそうなっているのではなくて、どうしてもそうなってしまう部分が大きい。

日本代表の面々も、そりゃあ誇りを持ってピッチに立っているわけだから、全員が全力を尽くそうと走っていただろうし、誰も手を抜いたわけではないはず。しかし、どうしても状況がそうさせてしまう。「一瞬でも手を抜いたら大事な大事なW杯前に大敗させられてしまう相手」ドイツと一戦を交え、その後の本番直前の「W杯予選最下位」のマルタとやれば、怪我もしたくないしどうしても最後の一歩が出なかったり、集中力が下がったりするもの。というか普段の集中力に戻るという方が正しい。

無論、世界で戦うには「どんな試合にも異常なほどの集中力を持って戦うべき」というのが筋であり、それを持った者こそが勝てる試合を落とさず、負ける試合を拾うことが出来る。しかし、前述のとおり日本人のメンタルコントロールはその域に無い。唯一、中田英だけがそれを持ちえていたということでしょう。


■本番では?
故に、マルタ戦で気の抜けたような試合をしたのは「マルタ戦だから」であり、本番であのような集中力を欠いた試合をすることはないはず(と思いたいw)。メンタルをあげるのは簡単ですからね(あげすぎないようにする方が難しいか)。思い返してみればわかりますが、中田英が憤りを感じ今回のような発言をしたのは、そっくりそのまま日本代表がアジア相手に戦った時と同じなのですよね(笑)だから、要するに日本代表はマルタ代表相手に「アジア相手に戦っているような感覚」でやっていたということでしょう。レベル的にもそんなもんだし。


■そんなことより心配なこと
マルタ代表、4-2-3-1だったんですよね。
カウンターをいくつか食らったのも、サイドに開いた選手から。
あの威力ではしっかりとした守備確認にはならないけれども、それでも良いから「相手のウインガーには誰がつくのか」を確認しておくべきだったのでは・・・・と不安。4バックにしちゃったらそれ意味無いですしね?


む〜。
posted by 総さん−ソウサン− at 13:00| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月01日

-日本代表vsドイツ代表-の続き。

まずコチラの前編を読んでください。

■高原
体はキレていましたね。
いまいちなプレーも多々ありましたが、やはりゴールを奪ったのは素晴らしい。ただ、2点目について誰も突っ込まないけど、駒野からの横パスを受けたとき、あれトラップミスしてるんですよね。特に体を寄せられていたわけではない場面で、あそこでトラップミスはいただけないなあ。チャンスをフイしてしまう可能性が高いから。


■ラインの高さ
「ひいて守ってカウンター」
結局これでいくということなのでしょうか。
とすると、5バックでしょうね。
で、そうするとドイツ戦のような攻撃は期待できないと思ったほうが良いというのは前述。そしてもう一つの問題もある。

高さ対策。
自陣に退けば退くほど、この問題は深刻化してくる。
どんなにスペースを消してボールを追い回そうとも、ロングボールを長身の選手に合わせられて競り負けていたら、結局ピンチになる。


CK 14
FK 28

この数字を持って、「守備問題なし」と言えるのだろうか。
大きくて強い相手に退いて守れば、自ずとゴールに近いところでのボール争いになる。当然、与えるFKの距離も近くなるし、CKも増える。このドイツ戦にしても、結果こそ2失点だがクロスからのピンチの数はもっと多かった。クローゼがアタマ一つ抜けることもあったし、どフリーで外した場面もあった。

ロングボールの攻撃に何度失敗しようとも、ほんの1〜2度成功すれば2ゴールだ。上背の無い日本にとって、オーストラリア、クロアチア相手にこれは非常に危険な戦術じゃないかと思うのですが。

セットプレイへの対処というのは、はっきり言ってしまえばたぶん完璧には無理だ。相手が動き回って、タイミングがあってしまえば追いきれない。「あそこは絶対に捕まえておかなければ」というのはあくまで結果論であり、マンマークをしていても、基本は追いかけっこの性質のため逃げる方が有利に変わりは無い。それを戦術なり身体能力なりで限りなく0に近づける作業こそがセットプレーの守備に対する準備となるが、どんなに鍛錬をつんだところで、我が日本代表がセットプレーを毎回完璧に守りきるのは至難の技。

やはり、それ以上に「その局面(被セットプレー)を減らすこと」の方が、効果を考えると現実的だと思う。すると、自ずとラインは高めに設定するべき、となるのだが。

■オーストラリア戦
上記で「5バックでしょうね」と書いておきながらなんですが、どうもジーコの発言や昨日の試合を見ていると「(5-3-2ではなく)3-5-2で退いて守る」という選択をしているみたいで、それが怖くて仕方ない。

4-2-3-1相手に3-5-2か・・・。
posted by 総さん−ソウサン− at 17:21| 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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