2006年05月23日

中田システムじゃないよそれ。

http://www.nikkansports.com/soccer/japan/p-sc-tp2-20060523-35632.html

 ぽっかりと空いたスペースを高校生に狙われた。前半35分、中田英が攻め上がった裏のスペースを突かれた。トップ下の中村が必死で相手のドリブルに追いすがる。6本のパスをつながれてボールは左から右へ。最後は中央からミドルシュートを打たれた。大きく枠を外れたが、相手が初戦のオーストラリアなら背筋が凍ってもおかしくないシーン。DF宮本も「レベルの高い相手とやる本番では誰がいくのか徹底しないと危険」と気を引き締めた。

 湯本高の櫛田正則監督(48)にも、攻略の糸口と見抜かれていた。「中田選手が上がって何度もスペースができていた。ボールを奪うことができなかったが、そこをつくチャンスはあった」。高校生が完全攻略することはできなかったが、このままでは日本にとって危険地域になる。

 中田英のアグレッシブな姿勢が、守備のバランスを崩すことにつながる可能性はある。前日21日の戦術練習でも宮本が「ヒデ、あまり出て行かないように」と注文。そしてこの日の初の実戦で、課題が浮き彫りになった。宮本は「ボールの動きをどう制限するか。DFラインとしてボランチに要求しない時は『そこにいてくれ』ということ。でもボランチ側はそういう時も声を掛けてくれと言っていた」。細心の注意を払い、何度でも修正を重ねる覚悟を見せた。

 攻撃面で中田英が攻め上がる効果は高い。この日も常に前線に顔を出して、MF中村のスルーパスから1得点。逆に中村に1アシストも記録して「ナカナカ」コンビは良好だった。ただ、中村が「少しヒデさん(中田英)との距離が近すぎた」というほど、ボランチとしてはかなり高い位置でプレーしていたのも事実だ。

 その動きが「両刃(もろは)の剣」になりかねない中田英だが「練習の疲れが残っていて、体が重い部分があった。その中でも声を出して修正していくことはやっている」と前を向く。チームの雰囲気も「いいですよ。3週間あるし、今から気を張りつめても、持たないから」とも言った。まずは攻め上がる中田英の主張と、バランスを取る守備陣の主張を一致させることが必要。高校生にも見えた「穴」を修正する時間は残されている。【益田一弘】


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わかってないなぁ。
システムの欠陥じゃないでしょこれは。
要は、どの場面で使うのかということ。

劣勢の状況で前がかりにならなければならない時、この中田の行動は正解。多少スペースをあけてリスクを負ってでも前に出なければならないのだから。

序盤で試合を組み立てなければならないときには、この行動自体はOKだが、カバーリング役を決めなければならない。トップ下の俊輔か左の三都主でしょう。俊輔とはカバーリングではなくてポジションチェンジだけど。

この中田の行動を「暴走」とする人がいたけど、それも違う。
この行動は必要ですよ。なぜなら、中村俊輔はロナウジーニョでもジダンでもトッティでもないから。トップ下にドシッと構えて生きる選手じゃない(それをやるならまだフィジカルに秀でた中田英の方が適任)。左に右に後ろにうまく動いてそこで技術を発揮するタイプの選手。ポジションチェンジが無いと前に蓋ができてしまう。必然的にボランチとの阿吽の呼吸のポジションチェンジが必要。

だから、危ないのはこれが試合を組み立てる際に使うというのであればその約束事が確立されていないこと。その約束事は「中田英と俊輔の入れかえ」であり当人同志からすれば「アイツがあがったら俺が下がる」というだけなので、実はそんなに難しいことじゃない。3週間毎日一緒にいるわけだから、これから充分に連携は確立できるはず。

問題はその先。
3-5-2のボランチとトップ下のポジションチェンジって、もうセオリー。セオリーになるにはそれなりに理由がある。楽チンなんですよ。そんなにリスクもない。相手も充分に対応してくるだろうし、その上攻撃の枚数が変わったわけでもない。これで相手に脅威を与える攻撃が展開できるのだろうか?上記の文中でも脅威を与えたのは「中田英+中村」であって、単体ではないし。

「中田英+中村」を可能にするには、俊輔以外の誰かがカバーリングをするしかない。中田が左ボランチなら三都主、右なら加地。左はこの上なく厳しい(笑)彼も攻撃のタレントなのだから。三都主も攻撃的にして福西と加地をスライドさせるという手もある(これはトルシエの戦術ね)けど、加地は中で守備の立つタイプではない(故にトルシエはスタメンに市川ではなく明神や酒井を好んだわけで)。

この矛盾をどうにかして欲しいですね。
中田がどうのこうのではなくてね。
「中田+中村」を実現させるのか、否か。
させたいなら、それなりの人選をしなきゃいけない。
させないなら、それでどうやって敵陣を崩すのか。

・・・・。
でもなぁ。
もしね?そうやってポジションチェンジによって攻撃の威力を増したいなら、やっぱり4-4-2だと思うのですが・・・。3-5-2の第二ボランチと4-4-2の第二ボランチってだいぶ役割ちがうのでね。4-4-2なら二列目は二人いるので頻繁にポジションチェンジが行えるしバリエーションも増える。まあ、それが出来なきゃ4-4-2の意味がないんですけどね。高い連携も必要だし。

にしてもジーコは本当にオーストラリア相手に3-5-2で挑むつもりだろうか。3トップのオーストラリアにそれは自殺行為に近いと思うんだが・・・。


あ、それと。
この記事は守備の話と攻撃の話を混同しているよ。

A.宮本「ボールの動きをどう制限するか。DFラインとしてボランチに要求しない時は『そこにいてくれ』ということ。でもボランチ側はそういう時も声を掛けてくれと言っていた」

B.中田英が攻め上がった裏のスペースを突かれた。
湯本高の櫛田正則監督「中田選手が上がって何度もスペースができていた。ボールを奪うことができなかったが、そこをつくチャンスはあった」


このAとBは全然別の話でしょう。
Aはプレスのかけ方。ボール主体でボールサイドの方へチャレンジに行くか、DFライン前のスペースを埋めるのか。この判断についてDFラインから要求するのであれば、どちらであっても声を出して欲しいということ。

Bは攻撃の時の話。
文字通り中田が攻撃の局面で飛び出た後のことですね。

宮本「ヒデ、あまり出て行かないように」

これはどっちにも当てはまりますね。
"でも戦術練習をしている時"とのことなので、たぶん守備の話(A)でしょう。だって、攻撃の話のときには宮本と中田は別のグループで練習するはずだし(笑)だから、「中田が前がかりに成りすぎる」ということに対する注文ではないと思います。

それぐらい、プロの記者なら見抜いて欲しいな。
posted by 総さん−ソウサン− at 14:11| ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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