2006年05月12日

目的意識の低い人とその組織。-後編-

前編を書いたまま、ずっと続きを書くのを忘れていました。まあ、誰も期待しているわけじゃないからいいんだけど(笑)

さてさて、前編のあらすじ。(上のリンク先読んでもらった方が良いけど)
前にいた会社で全社をあげて取り組んでいた「業務改善(品質改善)活動」
全社を部署内で6〜9人を一組のグループとして分けて、各グループで半年近く活動をしてプレゼン形式にて発表。優秀なグループは勝ち抜いて、最終的に全国事業所代表として、全社統一の発表会を行うというもの。

僕は、晴れて事業所代表となり、桜木町の某大ホールで300人?ぐらいだったかな?の前でプレゼンをしたのですね。今日は、その本戦での話。

ほんと、苦労しました。
プレゼン自体はほとんど苦労しなかったですよ。
もう内容が固まっているものを喋るだけなんだから。何も問題は無い。
問題は、大会自体の運営とトップの基準。

当時大笑いしたんだけど、プレゼン時間がなんと5分しかない(笑)
質疑応答いれたら7分かな。短すぎでしょう・・・。
参加者多数で、人間の集中して聞いてられる時間に配慮してというならまだわかる(それにしたっていくらなんでも短すぎだけど)。しかし、本戦に出るまでの全ての予選は7分以上で行われていたのですよ。普通、舞台があがるにつれて時間は増えていくものだと思うんですが(笑)

何よりの矛盾は、大会全体の時間は確か2時間〜3時間。
出場チーム数は10チーム程度。著しく計算が合わない(笑)
そう。改善活動の発表がメインであるはずなのに、それ以外の時間が多いのですね。コンサルタントの演説時間20分、社長の演説時間20分、打ち上げ40分以上。社長は喋りに来たのでしょうか、聞きにきたのでしょうか(笑)

肝心の改善活動発表会。
どいつもこいつも、プレゼン下手すぎ・・・。
見下すわけではないけれども、あれは人様の前でやる代物ではないと思いましたね。それほどにひどかった。

まるで論文の様に字を詰めた画面を映し出すチーム。
背景がデザインされすぎていて、肝心の文字が読みづらいチーム。
緊張で手が震え、声が震え、しまいには「き、緊張で手が震えてレーザーポインタがうまくつ、使えません」なんて言っちゃうプレゼン者。
極めつけは、ラストになんとスタッフロールを持ってくるという飛びっぷりのある個性を見せてくれたチーム(笑)

「これははっきり言って相手にならない」
順番待ちの僕の正直な感想。っていうか、他のチームがやっているのはお遊戯とか文化祭でやっているようなレベルだしね。そして、僕は自分のプレゼンを滞りなく済ませ、ダラダラと行われている他チームの発表(当人は真面目に緊張感を持ってやっているつもりなんだろうけど)を見て、社長とコンサルタントのどうでもいい話を終え、やっと結果発表。なんと、僕はこんな大口を叩いているにも関わらず、上位三賞(最優秀・優秀・特別賞)にかすりもしませんでしたよ、と(笑)

上位3チームは、スタッフロールのチーム、プレゼン者(これがまた若い女性なのねw)が緊張のあまり震えてまともに喋れずそれをカミングアウトしたチーム、そして落ち着いて喋ったものの、同じような活動をもっと有意義に進めた他チームをどういうわけか退けたチームの3チーム。

正直、自分でもビックリしましたね(笑)
感覚的には、スポーツ経験者が素人に敗北するような感じ。
期待されたにも関わらずそれに答えられず、申し訳ない気持ちを背負いながら、参加賞を受け取りに委員長の所へ。そして、衝撃の事実が耳打ちされる。


「実は、評価は君が一番高かったんだ」

はあ。どういうことっすかそれは。
どうやら、我がチームは実は全社にさきがけてこの活動を始めており、先見の優位性があるため、今回は受賞を見送ったということらしい。怒りがこみ上げてきましたねえ。この活動は半年単位で行われてるんですよ。そのたびに何か新しいテーマを見つけて論理を組み立てて活動する。上層部のおエライさん方が知る由も無いと思いますが、僕はこの会社に入ってする単身宮崎へ出向に出されて、ちょうど半年前に帰ってきたばっかりなんですけどね(笑)組んだメンバーだって全員新参者だから、過去の積み重ねなどない。

大会が終わり打ち上げに入れば、
これがまた見ず知らずのオッサンが声をかけてくることくること。
話の内容は全て同じ。
「君が最優秀かと思ったのに」
はっはっは。そうでしょうそうでしょう(笑)

宮崎にいた時にお世話になっていた課長も遠路はるばる参加していて、
目を丸くしていました。
「お前があんなにすごいプレゼンが出来るなんて、本当に驚いた」
はっはっは。そうでしょうそうでしょう(笑)←二度目
そら、DTPオペレータなんて技術者的な仕事してたらプレゼンなんかしないですからねぇ。

入社の時にお世話になって総務のTさん(オッサン)。
「君も頑張って成長したねぇ」
はっはっは(笑)
何を仰るんですかTさん(笑)
あなたの会社でプレゼンの勉強なんかしたことないですよ
物事の捉え方、プロジェクトの進め方は全て我が師匠から受けたものであり、基本的には僕オリジナルのものですから・・・。

そして、発表に際して社長からのお言葉。
「非常にレベルが高く、皆頑張っていた」
終始これ。トップがそれでどうするんだいシャッチョさんよう。

会社のトップ。運営委員。そして参加者。
誰も、行動を起こすことに対する「目的」が定まっていない。

1.会社のトップ
全くバカげているというかなんというか。
こういう場でまず社長が発言しなければならないのは「選考基準」。これより大事なものなんて無い。正直、僕がいくら自分のプレゼンに自信があったとしても、結果が伴わない事だって往々にしてあるわけで、それはそれで仕方ない。価値観なのだから。

世間にはいろんな価値観があって良いはずだし、何を「良質」とするのかもそれに準ずる(それが本当に社会的に「良質」かどうかはさておき)。その価値観に会社として順位をつけるならば、まずもって間違いなく「会社がどういう価値観を持っているのか」を提示しなければならない。じゃなきゃ、誰もそこへ向かって走れないもの。極端な話、会社が赤いものを作れと言えば社員はそのように作るし、青いものならそのようにつくるはず。その「会社としての色=意思」がない。今後もこの活動を進め、そして成果を求めるのであれば、これはもう必須でしょう。それを会社のトップがその絶好の機会に提示しなくて他に何を伝えるというのでしょうかね。不思議で仕方ない。


2.運営委員
時間配分、資料、準備。
一体何をさせたいのかがさっぱりわからない。
大会後に委員会の人間に「なぜ5分などという短い時間だったのか」の問いをぶつけました。彼はこう答えました。

「時間を絞ることで、プレゼン技術の向上を図った」
あなたは、発表が聞きたいんですか?
社員のプレゼン能力を養いたいのですか?(笑)
百歩譲ってその両方だとして、それはプレゼンの時間を絞る理由にはなれど
"5分"という数字の根拠にも、発表以外の時間の方が圧倒的に多いという時間配分の根拠にもならない。

そして、極めつけは「プレゼンだけで判断しているわけではない」
バカ野郎が(笑)
それを言ってしまったらおしまい。
プレゼンというのはそもそもが一発勝負者。
そこでちゃんと伝えられなければ、その背後にある活動の努力も目を向けてもらえなくなるのは当然。そういう厳しいもの。特別賞に輝いたチーム(同様の活動をもっと有意義に進めていたチームを退けて受賞したチーム)がこれでした。前期から活動を始め、プレゼンの内容以外のことも進めていたと。なんだそりゃあと(笑)その「プレゼンで見えなかった部分」が有意義な成果を上げていたとして、それを全員が見たのですかという話。そんなの、その事業所にいる人にしかわからないじゃないですか(笑)そんな選考基準設けたら、思いっきり有利不利がでるがなぁ。


3.参加者
スタッフロール入れたり、過度の緊張をカミングアウトしたり・・・。
一体何を伝えたくてあなたはその壇上に立っているのかしら?
ほんと、お遊戯みたい。これは前回も書いたのでこの辺で。



この問いを突き詰めて考えられて無いから、
こんなグダグダな大会になるわけで。

「この大会や活動は、何のために行っているのですか?」
posted by 総さん−ソウサン− at 10:06| ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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